米国における主要テクノロジー企業の31社では、2025年1月だけでも7000人以上の従業員が解雇された。ここ数年、高いスキルを持つテック系労働者が、予想外のレイオフに直面している。これは、AI(人工知能)と自動化の波が、従来のソフトウェアエンジニアリングやIT、製品管理といった職種に壊滅的な打撃を与えているからだ。
しかし、AIに起因するレイオフの洗礼を受けたテック系労働者が、成功裡にキャリアを転換し、さらに報酬アップも実現できる予想外のセクターがあることが、新たな調査で判明した。
現在、失業中のテック系労働者が目指すべき職業
AIが今後も、さらに多くの職業に取って代わることは、もはや疑問の余地はない。だが全体的に見て、「AIに仕事を奪われるのではないか」との懸念の多くには明確な裏付けがないという点で、専門家の意見は一致している。
実際、高収入で需要が多い職種はいまだに存在する。加えて、数千人にのぼるレイオフされたテック系労働者が、意外な転身で高収入が得られる新たなキャリアを選んでいることが、新たな調査によって判明している。
AIを活用したSEO自動化サービスを提供する企業Chadixの創業者であるAIストラテジスト、ダニー・ヴェイガによれば、かつてテック系プロフェッショナルだった者が、これまで一顧だにしなかった業界に転身を図る、意外な事例が相次いでいるという。しかも一部のケースでは、テック系企業よりも安定した雇用で、高い報酬を得ているとのことだ。
同氏の報告によると、元ソフトウェアエンジニアの中には、航空機の整備士や、アダルトエンターテインメント・テクノロジー業界でサイバーセキュリティの専門職に就くことで、12万ドル(約1800万円)以上を稼いでいる者もいるという。
Chadixの調査チームは今回、ネット上に公開されている、実際の転職関連の情報を対象とした包括的な分析を実施し、レイオフされたテック系労働者がキャリアの軌道修正を図る場合に、高い収入を得られる職種を特定した。この分析にあたっては、レイオフ後にキャリアの軌道修正を模索しているテック系労働者本人が、オンライン掲示板のReddit(レディット)に書き込んだ情報を対象としている。
こうしたリアルな議論や当事者の話から導き出されたChadixのリポートは、失職後に別の道を模索するテック系労働者にとって、2025年における最良の選択肢を示すものだ。以下では、こうした条件を満たす6つの職種を紹介しよう。