過去数年間で、AIスキルを学ぶ需要が前年比866％増加したことが、Courseraが発表した最新レポート『Job Skills Report 2025』で明らかになった。Courseraのアナリストによれば、過去1年間における学習者（会社員、学生、求職者）の受講パターンを調査した結果、AIコースに対する需要がそれぞれ1100％、500％、1600％急増したという。
しかし、このAIスキルの人気が急上昇した背景には何があるのだろうか？ なぜAIスキルを学べるコースは人気なのだろうか？
・同レポートによると、企業の約4社に3社が生成AIを利用しており、62％が自社の従業員に対し、少なくともある程度AIへ精通することを期待していると回答している
・同様に、採用担当者の推定22％は、そうしたAI時代の到来に合わせ職務内容を更新したと答えている
・Job Skills Reportの調査結果と同様に、AWS（アマゾンウェブサービス）が昨年実施した調査では、2028年までに92％の企業がAIを活用したソリューションの利用を計画しているとされ、生成AIが従業員のあいだで当たり前のツールになると予想する企業が増加しているという
・AWSはまた、「調査対象となった企業の73％が、AIのスキルと経験を持つ人材の雇用を優先事項と考えている。しかし、そのうちのほぼ4社に3社（75％）は、そうした必要な人材が見つからないと回答している」とも指摘している
・最後になるが、Indeedのデータは、生成AIのスキルを習得することによって年収が47％もアップすることを証明している。AWSは、「営業・マーケティング（43％の年収アップ）、財務（42％）、ビジネスオペレーション（41％）、法務・コンプライアンス（37％）、人事（35％）」の分野において、その効果が最も顕著であると述べている
Courseraのレポートは、「社会人は、仕事の即戦力となるための能力を向上させるために、これらのスキルを習得する必要がある」と付け加えた。また、IBMのバイス・プレジデントを務めるジャスティナ・ニクソン＝サインティルは、ロンドンにあるIBMの英国本社で行われた最近のインタビューで、「AIはほぼすべての職務に影響を与えるため、管理職やリーダー職を含め、あらゆる業界でスキルアップが必要になる。したがって、役割や年齢、経歴に関係なく、すべての従業員や学生にとってAIに精通することは不可欠だ」と語った。
