世界経済フォーラム(WEF)の年次レポート「仕事の未来」最新版によると、2030年までに推定9200万人の雇用が失われ、新たに7800万人の雇用が生まれるという。主要な分野や産業における雇用の急増に伴い、2025年から2030年にかけて必要とされるスキルの見通しも劇的に変化している。
IBMの調査によると、スキルの寿命は約5年で、パンデミックの余波に加え、AI、IoT(モノのインターネット)、クラウドコンピューティングといった最近のテクノロジーの進歩により、必然的に新しい仕事の需要が急増しており、特に技術や環境に関連する仕事への需要が高まっている。
先述したWEFのデータは、今後数年間、社会人がキャリアで成功するために必要なコアスキルが大きく変化することを示唆している。
WEFの2016年版レポートで調査対象となった企業は、労働者がもつスキルの35%が今後数年間で進化したり、技術革新によって不要となったりする運命にあると予想していた。この数字は、2023年版レポートでは44%にまで上昇した。そして最新版では、22業種にわたる1000社以上の企業を対象とした調査の結果、39%とわずかに減少傾向にある(WEFは、積極的な社内のスキルアップ・プログラムの推進などがこの減少に寄与していると推測している)。
では、人工知能(AI)分野の進化が進み、企業が労働者に求めるスキルも変化するなか、私たちは今年、どのような分野のスキルアップに投資すべきなのだろうか?
2025年に習得すべきスキルTOP10
ありがたいことに、WEFのレポートは2025年に企業が求めるコアスキルを掲載しており、企業が「自社の従業員にとって不可欠である」と答えた割合に基づき、これらのスキルを順位付けしている。1. 分析的思考力
2. レジリエンス(回復力)、柔軟性、敏捷性
3. リーダーシップと社会的影響力
4. 創造的思考力
5. モチベーションと自己認識能力
6. 技術リテラシー
7. 共感力と積極的な傾聴力
8. 好奇心、生涯学習への意欲
9. タレントマネジメント
10. サービス志向、顧客サービスへの意識