4月こと座流星群の出現期間が月替わりとともに終わったが、天文ファンにとって嬉しいことに、2025年の流星群シーズンは始まったばかりだ。夜空を眺めているときにたまたま流れ星を見つけることはあるが、そうした幸運に頼らずに流星群を見ようと思うなら、計画的に行動する必要がある。
2025年、必見の流星群
主な流星群は、活動期間に入ると少しずつ流星の出現数が増えていき、特定の夜に活動が最高潮に達して、その後はまた徐々に数を減らしていく傾向がある。しかし今年は、有名な流星群の多くが月明かりに妨げられて、ひときわ明るい火球以外は見えない可能性が高い。たとえば8月のペルセウス座流星群は、活動が最も活発になる極大日の数日前が満月となるため、ほとんどの流星が月光にかき消されてしまいそうだ。
そこで、極大時に予想される1時間あたり最大の流星出現数と月の満ち欠けを考慮したうえで、今年見るべき5つの流星群を紹介しよう。
1. みずがめ座η流星群

見ごろ:2025年5月6日(火)と7日(水)の未明~夜明け前
みずがめ座にある恒星の名前にちなんで名付けられたみずがめ座η(エータ)流星群は、ハレー彗星を母天体とする。今年は5月6日12時ごろに極大を迎えると予想されている。観測に最も適しているのは南半球で、1時間に60個もの流星が空を駆けるが、北半球では残念ながらその半分程度しか見られない。日本では月明かりの影響はないが、空が白み始めるのが早いため、夜明け前の1時間半程度が観測のチャンスとなる。目覚まし時計をセットしておこう。
2. みずがめ座δ南流星群とやぎ座α流星群

見ごろ:2025年7月31日(木)ごろ
みずがめ座δ(デルタ)南流星群は、8月のペルセウス座流星群に比べて知名度こそ低いものの、今年は空が暗くなってから間もなく月が沈むので、今夏最高の流星群となるかもしれない。深夜から明け方まで月明かりに妨害されることなく、1時間に15~20個の流れ星が見られそうだ。さらにボーナスとして、やぎ座α(アルファ)流星群が同日に極大を迎えると予想されており、1時間あたり5~10個の流星が追加で出現する。やぎ座α流星群は火球が多く、金星より明るい火球がゆっくりと流れることで知られている。
3. オリオン座流星群

見ごろ:2025年10月22日(水)~23日(木)
ハレー彗星を母天体とする2つめの流星群であるオリオン座流星群は、流星のスピードが速く、明るい流星が流れた跡に光の筋が残る「流星痕」という現象がよく見られるのが特徴だ。2025年のオリオン座流星群はちょうど新月のタイミングで極大を迎えるため、一晩じゅう月明かりの影響を受けることなく、1時間に最大20個の流星が流れるのを観測できる。
4. しし座流星群

見ごろ:2025年11月17日(月)~18日(火)
しし座流星群は、流星雨をはるかに凌ぐ壮大な数の流星が降り注ぐ「流星嵐」が見られることで有名だ。今年は流星嵐の予想は出ていないが、流星群の中でも最速となる時速25.7万キロものスピードで夜空を駆け抜ける流れ星は見逃せない。最も多くの流星が出現するのは18日未明で、1時間に最大10~20個の流星が期待できる。明るい火球もいくつか見られるかもしれない。明け方に細い下弦の月が昇ってくるが、観測の邪魔にはならない。
5. ふたご座流星群

見ごろ:2025年12月13日(土)~15日(月)
今年1つだけ流星群を見るなら、ふたご座流星群がおすすめ。流れ星の数が多いという点で年間最大の流星群で、1時間に最大150個の流星が出現する。明るい流星が多く、スピードは比較的ゆっくりで、しかも色とりどりの流れ星が観測できる。写真にも撮りやすい。今年は未明に欠けゆく下弦の月が昇ってくるが、放射点が高くなる午後10時~翌午前2時ごろにかけては暗い空が約束されている。明るく輝く火球に期待したい。