ウクライナのドローン(無人機)は、モスクワの南東200km弱に位置し、ウクライナとの国境から500km近く離れたロシア西部リャザニ州リャザニ市にあるリャザニ製油所を攻撃した。ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)のレポートによると、蒸留設備がある区画で火災を引き起こした。
The Ryazan Oil refinery has been struck by UAVs once again. Large fires can been seen raging inside the facility. pic.twitter.com/bnGANOVTjZ
— (((Tendar))) (@Tendar) February 24, 2025
ウクライナは今月、720km以上飛行してロシア南部サラトフ州サラトフ市内の製油所もドローンで攻撃した。ロシア石油大手ロスネフチが保有するこの製油所の石油精製量はロシア全体の2%強とされる。1月末には、ウクライナ北東部の前線から840kmほど離れたロシア西部ニジニ・ノブゴロド州クストボ市にある製油所もドローンで攻撃している。
もちろん製油所は修復できる。それでも、ロシアの薄く引き伸ばされた防空網をかいくぐって続けられているウクライナによる着実な攻撃は、ロシアの石油産業に打撃を与えている。1月には、一連の攻撃によってロシア全体の石油精製量が一時10%ほど押し下げられた。2月の被害はもっと大きくなっているかもしれない。
米国の「豹変」にもかかわらず、ウクライナの深部攻撃作戦は制約されていない。米国のドナルド・トランプ政権はウクライナに対して5000億ドル(約75兆円)相当とも言われる鉱物権益の譲渡を要求しているほか、ウクライナの国土の約2割にあたる占領地をロシアに完全に引き渡す案を含む「和平交渉」を、戦争の当事国であるウクライナの頭越しに進めようとしている。