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欧州

2025.01.30 17:30

次々に爆発・炎上するロシアの製油所 ウクライナの攻撃激化、新たに西部クストボで「大火災」

ロシア西部ニジニ・ノブゴロド州クストボにある製油所(Collection Maykova / Shutterstock.com)

ロシア西部ニジニ・ノブゴロド州クストボにある製油所(Collection Maykova / Shutterstock.com)

ウクライナのドローン(無人機)が28日から29日にかけての夜、北東部の前線から840kmほど離れたロシア西部ニジニ・ノブゴロド州クストボにある製油所を攻撃した。ウクライナ軍参謀本部は、この攻撃によって「大規模な火災」が発生したと報告している

参謀本部は被害の程度などは「確認中」だとしているが、ロシアの軍事ブロガーらは、今回を含め、ロシアの最も重要な産業の「急所」で国内に30カ所前後ある大規模製油所に対するウクライナのドローン攻撃が相次いでいることに動揺している。ある軍事ブロガーは「製油所がまた炎上している」と記し、戦略施設である製油所の防空システムに不備があるとして不満を示している。
ウクライナによるロシア国内の石油関連施設を狙った縦深打撃作戦は2年ほど続いているが、今月、大幅にエスカレートした。

先週には、ロシア西部リャザニ州リャザニにある製油所もウクライナのドローンで攻撃されていた。この製油所の2024年の原油精製量は1310万トン(日量26万2000バレル)でロシア全体の5%近くを占めるとされる(編集注:ブルームバーグによると、クストボの製油所の原油精製量は日量約34万バレルにのぼる)。今月の一連の製油所攻撃によって、ロシアの製油能力は10%以上押し下げられた可能性もある。
製油所は修復できる。しかし、ウクライナはいつでもドローンをさらに送り込める。ウクライナの産業界はこの3年間たゆまぬ努力を続け、軽量スポーツ機を改造したタイプを含め、長距離攻撃ドローンを多数開発している。なかには1800kmほど航続できるものもある。

おそらく百万ドル単位かかる製油所の修復費に比べれば、ドローンの製造コストはたとえ群れで運用するにしても安い。ウクライナが長距離攻撃ドローンのベースに使っている機体のひとつ、国産のアエロプラクトA-22スポーツ機の価格は13万ドル(約2000万円)程度だ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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