ウクライナメディアのウクラインシカ・プラウダは情報総局筋の話として、情報総局のドローン(無人機)が27日、ロシア北西部ムルマンスク州にあるオレニャ軍用飛行場を攻撃したと伝えた。オレニャ飛行場はロシア空軍の爆撃機の基地で、ウクライナとロシアの国境からおよそ1800kmも離れている。
オレニャ飛行場に対する襲撃は、ロシア国内の複数の目標を同時に狙ったドローン攻撃作戦の一環で行われ、ほかに航空基地2カ所と製油所1カ所も襲撃したとされる。
情報総局は手元で増やしている自国製ドローンを用いて、ロシア国内の目標に対する襲撃を強化している。主な目標は航空基地と製油所だが、兵器工場や宇宙関連施設なども攻撃している。ドローン襲撃の拡大によってロシア側の防空網は薄く引き伸ばされ、ドローンを撃ち落とすのに苦労している。
1800kmという飛行距離は、ウクライナの長距離攻撃ドローンによるこれまでの最長記録を500km更新したことになる。今年5月、ウクライナの軽量スポーツ機改造型ドローンは前線から1300km離れたロシア南西部バシコルトスタン共和国サラバトの製油所を攻撃し、これがこれまでウクライナの越境攻撃ドローンの最長飛行距離だった(編集注:情報総局のドローンは5月末、ウクライナ側から約1800km飛行してロシア南西部オレンブルク州オルスクのボロネジM早期警戒レーダーを攻撃し、これが過去最長記録だったと報じられている)。
ウクライナ側がオレニャ飛行場を実際に攻撃したのだとして、それにどのようなドローンを使ったのかは不明だ。最も遠くまで飛べるのは軽量スポーツ機改造型なのかもしれないが、情報総局はほかにも十数種類かそこらのドローンを運用している。
いずれにせよ、ウクライナ側がオレニャ飛行場を攻撃したい理由は明らかだ。この飛行場はロシア空軍のTu-22M3爆撃機をサポートしている数カ所の基地のひとつなのだ。