ドローン(無人機)が警戒監視する中間地帯をロシア軍の歩兵がジグリに乗り込んで横切るという自殺も同然の突撃は、昨年秋に初めて確認されていた。ただ、当時はまだ、車両不足が高じた挙げ句のロシア軍部隊による単発的な試みとして片付けることも可能だった。
しかし、ロシア軍による機械化の努力について楽観するのはもはや現実的でない。ロシア軍の装甲戦闘車両の確認されている損害が1万1600両あまりに達するなか、ジグリによる突撃はありふれたものになってきている。
OSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストのMoklasenは、ロシア軍のジグリがウクライナ軍の自爆ドローンに次々に爆破される映像に「ラーダ襲撃はいまでは普通になっているのかな?」とコメントしている。
i guess this Lada storming is the norm now? pic.twitter.com/rmMxSJNWe8
— imi (m) (@moklasen) January 24, 2025
ジグリや、ラーダブランドのそれよりややパワフルな小型SUV(多目的スポーツ車)「ニーヴァ」は数カ月前、ロシア軍の装甲車両の在庫がいよいよ減ってきたとみられる頃から大量に出現し始めた。
ロシアは年にBMP-3歩兵戦闘車を200両程度、T-90M戦車を90両程度、BTR-82装甲兵員輸送車を含むその他の装甲車両を数百両新造しているとみられる。一方、この戦争におけるロシア軍の装甲車両の損失ペースは年にざっと4000両だ。
ロシアは2年くらいの間は、冷戦時代の古い車両を長期保管施設から引っ張り出すことで、損失数と新造数の数千両にのぼるギャップを十分埋め合わせられていた。