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欧州

2025.01.25 09:00

ロシア軍の残り少ない装甲車両、クルスク州でジャベリンの餌食に ウクライナも在庫に不安

Shutterstock.com

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2年11カ月におよぶロシアによるウクライナに対する全面戦争の間、米国のジョー・バイデン前政権は数十件の援助パッケージを通じてウクライナにジャベリン対戦車誘導ミサイル(ATGM)を1万発超供与した。

1発20万ドル(約3100万円)ほどするジャベリンは、肩にかけた発射機から発射され、赤外線シーカーで誘導されながら目標に向けて飛翔する。射程は3km以上あり、8.5kgほどの弾頭はどのような戦車も撃破もしくは行動不能にできる。ロシアのある軍事ブロガーによれば、ウクライナ軍のジャベリンの在庫が最も豊富だったのは戦争1年目の2022年だったという。

それでも「彼らはまだ十分な数を保有している」とこの軍事ブロガーは続けている。そして、これらのまだ残っているジャベリンは、ロシア西部クルスク州でウクライナ軍に占領されている650平方kmほどの地域から同軍を排除しようとしているロシア軍の努力にとって、大きな障害になっている

ロシアは現代的な装甲車両の不足がますます深刻になっているため、クルスク州に展開している総勢6万人のロシア軍と援軍の北朝鮮軍は徒歩で攻撃することが多い。機械化攻撃を仕掛けることもあるが、その場合、ウクライナ軍の地雷や小型のドローン(無人機)による最も外側の防御線の手前で、ジャベリンで武装したミサイルチームが待ち構えている。「最前線では、わが軍の戦車はATGMの攻撃目標になる」と同じ軍事ブロガーは説明している。

「そのため、わが軍の戦車は掩蔽陣地からしか作戦行動ができない」(同軍事ブロガー)。これはつまり、ロシア軍の戦車はもはや、接近して直接照準射撃を加えるという戦車本来の役割はほとんど果たせなくなっているということだ。

総兵力88万人とされるウクライナ軍のなかでも、最も容赦のないミサイル部隊は空挺強襲旅団のジャベリンチームかもしれない。ただ、クルスク州では海兵隊や特殊部隊のジャベリンチームも戦闘を行っている。

ウクライナ国防省によれば、ウクライナ海兵隊第36独立海兵旅団のジャベリンチームはクルスク州で最近、2日で戦車3両、BMD-4歩兵戦闘車4両を撃破する戦果をあげた
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翻訳・編集=江戸伸禎

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