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2025.03.26 16:30

実は逆効果、Z世代はふたりの距離を縮めるためにすぐ「自分をさらけ出す」

Shutterstock.com

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TikTokで話題になっている最新のデートのトレンドに「フラッドライティング」がある。付き合い始めて間もない段階で、かなり個人的なこと、あるいは心の機微を共有するというものだ。相手と早く親密になるためであることが多い。

フラッドライティングは研究者のブレネー・ブラウンによる造語で、本物のつながりを求めるというより、相手を試すかのように自分の弱さを相手に一気にさらけ出すことを指す。急速に仲を深める方法のように思えるかもしれないが、実際には相手が引いてしまう可能性がある。

フラッドライティングをしている可能性を示す3つの兆候と、その姿勢を改める方法を解説する。

1. 抱えているトラウマを早い段階で詳しく明かす

フラッドライティングは相手とつながりたいという切望から生じることが多いが、裏目に出ることもある。 初めてのデートで、直感的に互いに惹かれたとしよう。あなたが言うジョークに相手は笑い、あなたを見る相手の目が輝き、3杯目を飲む頃には会話が弾んでいる。 相手はオープンでどんなことでも受け入れてくれるように見えるため、あなたは「話していけないわけがない」と思う。

ほどなくして、あなたはクラスのみんなの前で失敗してしまったという軽い話をする。次にその後、受けたいじめについて話し始め、相手がまだ聞く準備が整っていないような辛い過去を詳しく語る。

最初の会話で、過去の別れ話や子どもの頃のトラウマ、精神的な苦悩など、極めて個人的な話を途切れることなくしている自分に気づいたら、それはフラッドライティングかもしれない。

中には、そうした弱い部分をさらけ出せばすぐに親密な関係が築けると誤解しているために、フラッドライティングに走る人もいる。あまりにも弱さをさらけ出すと、絆を深めるどころか相手は引いてしまい、親密さよりも感情面での距離を生み出してしまう可能性がある。

専門誌『サイコロジカル・レポート』に2022年に掲載された研究では、不安や注目を集めたいという気持ち、SNS中毒が、思春期の若者たちのネット上での過剰な情報共有と著しく関係していることが示された。この研究はネット上での自己開示に焦点を当てているが、承認欲求や他人との線引きが苦手といった、根底にある感情面でのニーズが過剰に情報共有をするという行動につながっていることを浮き彫りにしている。

人間関係において弱さは尊いものだが、共有にはタイミングが重要だ。立ち止まって考え、徐々に開示していくといい。極めて個人的なことを吐露する前に、以下のことを自問してほしい。

・なぜ今、これを共有しようとしているのか

・このレベルの打ち明け話をするのに、今がふさわしいタイミングなのか

・自分は承認や安心感など、何か見返りを期待しているのだろうか

加えて、フラッドライティングでは個人的なことを共有するだけでなく、見返りを期待している。フラッドライティングをする人の多くは、ただ打ち明けるだけでなく、無意識のうちに相手が自分と同程度の弱さを見せるのを待っている。

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翻訳=溝口慈子

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