3. 弱さを使い、自分を受け止めてくれるか試す
弱さは人とつながるための強力なツールだが、自分を受け止めてくれるかどうかを試すために使うと、予期せぬ感情的なプレッシャーを生み出す可能性がある。あまりに早い段階で多くを共有すると、真の親密さを育むどころか防御機制となる可能性がある。防御機制とは、つながりではなく安心感を無意識に求める心の働きだ。
出会って間もない人としばらく話していて、相手が完璧な人のように思えたとしよう。あなたが求めるすべての条件を満たしており、ゴーサインが灯る。初めてのデートに興奮しているが、「私が相手に寄せる気持ちほどに、相手が私のことを好きではなかったら」という疑念が頭から離れない。不安を打ち消すためにあなたは試す。
まずはちょっとした無難な話題から始める。相手も同じように反応する。勇気づけられたあなたは、さらに踏み込んだ話をする。相手もまた同じように反応する。そして、あなたは思い切ってかなり個人的なことを打ち明ける。「もし相手がふさわしい人なら、きっと理解してくれるはず」と思い込んでのことだ。
だが、相手の反応は期待とは異なる。受け入れられるどころか、ためらいや居心地の悪さを示し、引いたりもする。そしてまだ始まってもいないのに、あなたはあっさりと「もう終わった」と思い込む。
専門誌『エモーション・レビュー』に掲載された研究では、カップルがお互いの感情に影響を与え合い、安定させる相互の感情のコントロールは、健全な関係を維持する上で重要な要素であることが示唆されている。あまりに早い段階で相手を試すつもりで弱さをさらけ出すと、親密さが自然に育つどころか、相手の反応を重視し過ぎることで感情のバランスが崩れてしまう可能性がある。
誰かに認められることを求めるのではなく、まず自己を受け入れる必要がある。 その方法は以下の通りだ。
・自己認識を高める:「私が弱さを共有しているのは相手とつながりたいからか、それとも相手の反応を試したいからなのか」自問してみよう。こうした認識があれば本当の弱さと、認められることを求めての自己開示とを区別できる。
・自己承認の練習をする:新しい恋人から安心感を得ようとする前に、日記をつけたり自己反省したり、あるいはセラピーを受けたりして自分の価値を肯定する。
・自分で感情を落ち着ける:デート相手の反応から安心感を得ようとするのではなく、相手の反応に関わらず自分は価値ある人間なのだと自分に言い聞かせる。
自己を受け入れることで誰かに承認してもらう必要がなくなり、拒絶への不安や恐れではなく、自信や相互のつながりを基盤に恋人との関係を成長させられる。
会話の中で相手に深い理解を求めることは、悪いことではない。実際、それは感情的知性を示すものであり、有意義なつながりを求める気持ちの表れでもある。表面的な世間話よりも深い話題に自然と引き寄せられるのであれば、それはまったく問題ない。自分の情熱や葛藤、人生経験など、本音を語り合うことで真の関係が育まれる。ただし、意図とタイミングには注意が必要だ。
フラッドライティングは、相手と親密になるための近道ではない。感情をさらけ出すギャンプルになることが多い。真のつながりとは、自分を受け止めてくれるかどうか、相手を試すことではなく、忍耐強くある勇気をもつことだ。真の親密さは、その時が来れば自然に生まれると信じよう。