2. 相手にもすぐ自己開示を期待する
新しい恋愛関係で打ち解けていくことは、信頼関係が深まるにつれ徐々に展開していく相互的なプロセスであるべきだ。だがフラッドライティングをする人は、感情面での相互性をすぐに期待してしまうことが多い。つまり、デートの相手が即座に自分と同じように弱さをさらけ出すことを期待するのだ。
デート相手に心を打ち明けているとしよう。夢中で自分のことを語るあまり、相手の沈黙に気づかない。理解と共感を得られることを期待して顔を上げると、相手は困惑していたり、不快に感じていたり、あるいは関心を示していなかったりする。
自分が心を開けば、相手も同じようにしてくれるだろうとあなたは思っていた。だが、気持ちが通じるどころか気まずい沈黙が流れる。数分前には陽気で楽しかったはずなのに、緊張感のあるぎこちないものに感じられる。無防備になったような、裏切られたような気持ちさえもする。一方、デートの相手はどう反応していいのかわからない。
「社会的浸透理論」によると、人間関係は段階的に自己開示を繰り返すことで発展していく。これは、よく玉ねぎの皮むきに例えられる。親密さは時間をかけてゆっくりと深まる。表面的なことをさらけ出すことから始まり、次に物事に対する考え方や感じ方を共有し、最終的には深い感情やこれまでの経験を語る。
フラッドライティングは、あまりに早い段階で深い感情を一気に吐露することで自然な関係の進展を妨げてしまい、以下のような状況に至る可能性がある。
・あなたがあまりに多くをさらけ出し、相手はそれに応えなければとプレッシャーを感じて関係がアンバランスになる
・基礎となる信頼関係なしに心の奥底にしまっていたことを打ち明けると、実際より親密な関係であるかのように感じてしまうため、誤った親密さの感覚をもつ
そのため相手が自然に心を開けるよう、余裕を与えることが重要だ。最初から重い話をするのではなく、時間をかけて感情面でつながっていく。実際には、次のようなアプローチがとれる。
・会話の深刻度合いを合わせる:デート相手が軽い楽しい話をする場合は、すぐに深刻な話題に移るのではなく、同じようにカジュアルな話をする
・内面を深く知ってもらうために「3回デートのルール」に従う:過去のトラウマや弱さに関する話題は、少なくとも数回デートをして信頼関係ができてからにする
・自由に答えられる軽い質問をする:「あなたが一番恐れていることは何?」ではなく「ほとんどの人が知らない、あなたについての意外なことは?」と聞いてみる。そうすれば感情的にならず、会話が盛り上がる。
・言葉や非言語による合図に注意を払う:デート相手が引いたり、ためらいがちになったりした場合はペースを落とす。どの程度打ち明けるかを、相手が決められるようにする。
このようにすれば、感情面での親密さが無理強いではなく自然に育まれ、バランスのとれた健全な関係へとつながる。たとえフラッドライティングがすぐに受け入れられなかったとしても、あなたは自分自身をさらし続けるかもしれない。その場合、相手が本当に自分のすべてを受け入れてくれるかどうかを試しているのだ。