【重要なお知らせ:当社を装った偽サイトにご注意ください】

AI

2025.01.29 18:00

米AI業界トップたちが語る中国製「DeepSeek」登場のインパクト

Omer Taha Cetin/Anadolu via Getty Images

Omer Taha Cetin/Anadolu via Getty Images

中国の人工知能(AI)企業DeepSeek(ディープシーク)は最近、OpenAIの最も優れたAIシステムに匹敵すると主張する大規模言語モデル(LLM)をオープンソースでリリースし、脚光を浴びている。同社のテクノロジーは、限られたリソースで極めて多くの成果を上げたと見られることから、米国のスタートアップに、自社の取り組みを再評価させるきっかけになっている。

杭州に拠点を置く小規模なAIラボであるDeepSeekは、昨年12月末に6710億パラメータを持つ言語モデル「V3」を公開したが、このモデルは、わずか2カ月間で558万ドル(約8億7000万円)のコストで訓練されたと報告されている。一方、1.8兆パラメータを持つとされるOpenAIのGPT-4の訓練費用は、1億ドル(約155億円)以上だったと同社のサム・アルトマンCEOは述べていた。

DeepSeekは1月20日、さらなる挑戦を仕かけ、「R-1」というモデルをリリースした。このモデルは、コーディングや複雑な数学・科学の問題を解く推論タスクにおいてOpenAIの「o1」モデルに匹敵すると同社主張している。OpenAIがこうしたモデルを月額200ドル(約3万1000円)で提供する一方、DeepSeekは自社のモデルを無料で提供している。

DeepSeekのモデルの高い性能とその価格設定は、すでに米国のAIスタートアップの事業運営に影響を与えている。カスタマーサービス向けのAIエージェントを構築するDecagon(デカゴン)のCEOであるジェシー・チャンは、「DeepSeekの新たなモデルは、OpenAIやAnthropic(アンソロピック)のような米国の大手に価格の再評価を迫る可能性がある」とフォーブスに語った。

ソフトウェアエンジニアリング向けのAIを構築するユニコーン企業Poolside AI(プールサイドAI)のCTOで共同創業者のエイソ・カントは、DeepSeekの強みは限られたリソースで多くを達成する技術力にあると指摘する。
次ページ > 汎用人工知能(AGI)の競争はリセットされた

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事