トランプ大統領は、27日に予定されていた下院共和党議員との会合を前に、この脅威について言及した。「中国企業が開発したDeepSeekのAIのリリースは、我々が競争に勝つためには、とことん神経を尖らせるべきだという警告だ」と彼は語った。
ただし、DeepSeekの使用にあたっては、いくつかの留意点がある。同社のAIモデルは、中国共産党にとってセンシティブなトピックに対して
検閲を行っていると専門家は指摘している。セキュリティ研究者のジェーン・マンチュン・ウォンによると、DeepSeekのモデルは、中国の習近平国家主席や1989年の天安門事件についての質問に応答しないという。また、プライバシーの問題もある。DeepSeekのモデルに入力されたデータは、
中国国内のサーバーに保存されるとポリシーに記載されている。
国家安全保障のアドバイザリー企業ビーコン・グローバル・ストラテジーズの幹部は、DeepSeekを使用する際には十分な精査が必要だと警告している。「中国のAIモデルは、国家安全保障や言論の自由に関する評価が明確にならない限り、中国共産党のプロパガンダ機関として扱われるべきだ」と同幹部は述べている。
問題はDeepSeekの価値の提案にある。つまり、OpenAIやアンソロピックのような米国企業が、クローズドで有料のAIの世界を構築しているのに対し、DeepSeekは最先端の推論モデルを無料で、しかもオープンソースとして提供している点が大きく異なっている。
LabelboxのシャルマCEOは、「クローズドな米国企業のモデルよりも、オープンソースの中国のモデルのほうがずっと良い」と語っている。
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forbes.com 原文)