それから1年以上が経った今、サンフランシスコを拠点とする同社はNotion(ノーション)やDuolingo(デュオリンゴ)、Rippling(リップリング)、Bilt(ビルト)、Substack(サブスタック)といった企業に顧客サービスの仕組みを提供している。デカゴンのシステムは、アプリの操作方法に関する質問に答えたり、払い戻し処理やサブスクリプションのキャンセル、クレジットカードの再発行などを行っている。
デカゴンの企業顧客のほとんどは、セールスフォースなどの競合他社のツールと同社のソフトウェアを比較検討した結果、デカゴンを選んでいるという。このような評価テストは、企業がさまざまなAIモデルを試す中で、ますます一般的になっている。たとえば、フォーチュン誌の記事によると、Intercom(インターコム)はそのような評価テストを経て顧客サービスプラットフォームをOpenAIのGPTモデルから、Anthropic(アンソロピック)のClaude(クロード)に切り替えたという。
デカゴンは先日、ベインキャピタル・ベンチャーズが主導し、テック投資家のエラッド・ギルや著名なVCのアクセル、ボンド・キャピタルらが参加したシリーズBラウンドで6500万ドル(約97億円)を調達したと発表した。これにより、同社の累計調達額は1億ドル(約150億円)となり、評価額は6億5000万ドル(約971億円)に達した。
デカゴンは、この資金を活用してチームを拡大し、新たな顧客にアプローチし、音声機能を製品に追加する予定だ。
同社の新たな資金調達は、特定のタスクを自動的に完了する「AIエージェント」が注目を集める中で行われた。OpenAIのCEOであるサム・アルトマンは、来年には人々がAIエージェントを日常的に使用することになると述べている。
「AIの推論の能力が向上したことで、人間がやりたがらない反復作業をこなすAIエージェントが普及しつつある」とベインキャピタル・ベンチャーズのアーレフ・ヒラリーはフォーブスに語った。