このタイプのドローンは、光ファイバーケーブルを巻きつけたスプールが機体に取り付けられていて、発進するとそこからケーブルを繰り出しながら飛んでいく。有線でつながっているので、妨害電波が流れていても操縦士はドローンとの通信接続を維持できる。とはいえ、光ファイバードローンにも固有の弱点があり、ドローンと対ドローンシステムの追いつ追われつの技術競争の延長として、近いうちに両国はそれを利用することになるだろう。
有線ドローンに対抗するうえでの課題は、ジャミングが通用しないこと自体だけではない。ジャミングが効かない以上、双方とも物理的(キネティック)な手法で対抗する必要があるが、こうした物理的な対ドローンシステムの多くは実のところ、ドローンを探知するのに映像フィードなどドローンからの無線信号に依存している。この信号を三角測量して、ドローンの正確な位置を割り出しているのだ。しかし光ファイバードローンの場合、こうしたフィードはケーブルを通じて操縦士側に送信されるので、検出可能な信号が残らない。
A Ukrainian serviceman in the Kursk operational zone was pursued by a slow-moving Russian drone equipped with fiber-optic communication. Taking advantage of its sluggish pace, he managed to escape and capture footage of the encounter. pic.twitter.com/qqKIMokNDx
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) December 27, 2024
他方、ロシアの産業貿易省は、光ファイバー制御ドローンを探知・無効化する方法について、自国の防衛産業界などから情報を募っている。ロシア側の取り組みでも、音響や視覚を手がかりにした探知方法に主眼が置かれるとみられている。
音響情報からのドローンの探知は、ドローンのモーターやプロペラのブレード(羽根)から発生する特徴的な音を多数のマイクからなるシステムで拾い、識別するというもので、技術として確立している。光ファイバー型ドローンは、ケーブルスプールで重量がかさむ分、プロペラでより大きな推力を生む必要があるため、通常の無線型ドローンよりも騒音が大きくなる。