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欧州

2025.01.23 09:30

ロシア軍の「松葉づえ大隊」が足を引きずりながら突撃、悲惨な結果に

Shutterstock.com

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ウクライナに対する全面戦争の開始から3年近くで80万人以上の人員を失いながら、ロシア軍はウクライナとロシア西部でなお60万人以上の前線兵力を維持している。これは、この戦争の最も重要なすべての前線で、ロシア野戦軍がウクライナ軍に対して優位に立つのに十分な兵力だ。

だからといって、ロシアが新たな兵士の確保に苦労していないわけではない。少なくとも1つのロシア軍司令部、具体的に言えば第20親衛諸兵科連合軍の司令部は、やむにやまれず負傷兵からなる突撃部隊を編成し、戦闘に送り込んでいる。負傷兵はどうにか歩けはするが、なかには松葉づえの助けを借りざるを得ない者もいる。容易に予想されるように、その突撃の結果は悲惨なものだ。

ロシア軍の一部の指揮官は負傷兵にも戦闘を命じているらしいというは、数カ月前に流れていた。そして先週、「松葉づえ大隊」の最初の明確な証拠とみられるものがソーシャルメディアに現れた。ロシア軍が現在、ウクライナ東部で注力している方面であるドネツク州ポクロウシク市周辺で、ウクライナ軍のドローン(無人機)は、松葉づえをついた兵士が多くを占めるロシア軍の突撃部隊が、足を引きずりながらウクライナ側の陣地を攻撃しに来るのを発見した。

ウクライナ軍の爆弾投下型ドローンが攻撃者をすばやく始末した。ロシア兵らは負傷によって明らかに攻撃力が制限されていたが、ドローンは彼らを容赦なく仕留めていった。
これは当初、異例なこと、つまりロシア軍のある残酷な指揮官が異様な仕方で人命を浪費させた例外的な事例に思えたが、実際はもっと組織的なものだったようだ。21日かその少し前、やはりポクロウシク郊外とみられる林の中で、松葉づえをついたロシア兵らが突撃のために集合しているところを、こちらは第20諸兵科連合軍の所属兵がみずから撮影した。「兵士が松葉づえで任務に向かおうとしている」と、エストニアのアナリスト、WarTranslatedが英語の字幕をつけてくれている動画で撮影者はつぶやいている。「なんてざまだ」
少なくとも1つの前線のロシア側に松葉づえ大隊が増えているという事実は、ロシア軍がウクライナや自国の一部に展開させている巨大な兵力の実態を垣間見せる。たしかに、ウクライナの東部と南部、およびロシア西部クルスク州でウクライナ軍が支配している小さな突出部の周辺には、合計で60万人かそこらのロシア軍の人員が投入されている。だが現実には、その60万人の全員が戦闘に適した状態にあるわけではない。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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