民生車両の使用は、ロシアが装備の調達に苦労している表れである。追加装甲を施したBTR-50の目撃が続いているのもそうだ。最近の衛星画像は、ロシアが置かれているさらに深刻な苦境を示している。かつて在庫が豊富にあった屋外保管施設のいくつかは、もはや
引き出せる車両がないのだ。70年前にさかのぼるBTR-50すらもだ。
とはいえ、これはロシア軍が戦い続けられないことを意味しない。それは、ロシア軍がますます徒歩で戦うようになることを意味する。驚くべきことに、ドローンによる絶え間ない攻撃にさらされる状況では、車両よりも徒歩の歩兵のほうが有効なことが多い。歩兵は素早く動くため、捕捉しづらい目標であるのに対して、車両は一般に目立つからだ。
エストニアのアナリスト、WarTranslatedが英訳して紹介している投稿のなかで、ロシアのある軍事ブロガーは、ロシア軍による装甲車両での突撃は「毎回、結果がゼロだ」と
嘆いている。一方、「歩兵は砲兵やドローンの支援を受けつつ、ゆっくりと、だが着実に」ウクライナ側の陣地を奪っていくと説明している。
だが、歩兵にはできないことがひとつある。敵の防御のほころびを突いて、敵陣深くまで迅速に侵入することだ。ロシア軍による最近の前進が、キロ単位でなくメートル単位で測られることがほとんどなのはそのためだ。
残存するBTR-50が、老朽化しているにもかかわらず、ロシア軍にとっていまだに貴重な装備である理由もそこにある。
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forbes.com 原文)