ウクライナ軍の強力な3個旅団がおよそ650平方kmのクルスク州突出部の左翼で前線を維持しているが、ロシア・北朝鮮連合軍側よりも兵力は劣っている。ロシアの政権は、ウクライナ軍が8月以来クルスク州で支配する地域を奪還するためなら、甚大な犠牲を受け入れる構えとみられる。
クルスク方面の戦いに参加しているウクライナ軍のドローン(無人機)操縦士、Kriegsforscher(クリークスフォルシャー)は「凄惨な戦いが繰り広げられています」と報告している。
ロシア軍の第51空挺連隊や第155独立親衛海軍歩兵旅団の部隊は11日、煙幕を張りながらウクライナ軍の陣地を正面から攻撃した。Kriegsforscherによると、ロシア側はBMP、BMD両歩兵戦闘車、MT-LB装甲牽引車、BTR装甲兵員輸送車計18両、T-72、T-80、T-90各戦車計5両を4つの縦隊に編成して突進させた。
ウクライナ側はドローンや戦車で迎え撃った。血みどろの乱戦が繰り広げられ、最終的にロシア側は歩兵戦闘車と装甲兵員輸送車計15両、戦車3両をあとに残す結果になった。正面突撃の甚大な代償だった。「彼ら(ロシア軍)が何度もバンザイ攻撃をしてくれてとても助かっています」とKriegsforscherは説明している。
戦闘は近接し、混沌としたものになっている。Kriegsforscherによると9日には、任務を終えて戻ってくるウクライナ軍の戦車2両と、突撃兵を満載したロシア軍のBMDが互いに気づかないまま接近した。改編されたばかりのウクライナ陸軍第17独立重機械化旅団の所属かもしれない戦車は、BMDが突撃兵15人降ろしたところでようやくその存在に気づき、BMDを撃破したという。
ロシア軍の分隊が一撃で全滅させられるというのは珍しいことではない。上に挙げたのと同じ戦闘のことかもしれないが、Kriegsforscherは、ウクライナ側が9日、第51空挺連隊の下車したばかりの兵士15人全員をドローン攻撃で死傷させたとも報告している。こうした死傷者が積み重なった結果、ロシア軍の1日の損耗人数はこのところ過去最多水準に膨れ上がっている。
"In war the heroes always outnumber the soldiers ten to one."
— Defense of Ukraine (@DefenceU) November 12, 2024
H. L. Mencken
The combat losses of the enemy from February 24, 2022 to November 12, 2024. pic.twitter.com/U7HnMFrHbP