欧州

2024.11.11 09:30

ロ軍部隊が砲兵支援受けずに大規模な突撃、破滅的な結果に 指揮官に怒りの声

Shutterstock.com

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塹壕にこもる敵への直接攻撃はただでさえ危険だ。砲兵支援のない直接攻撃になると自殺行為に近い。ロシア軍部隊は今月、それを身をもって学んだようだ。

「なぜ軍服を着たバカどもがいまだに人の生き死にを決めているのだ?」。エストニアのアナリスト、WarTranslatedが翻訳・紹介している投稿で、ロシアのある軍事ブロガーは憤っている。問題にしているのは、ロシア軍第123自動車化狙撃旅団が2日、ウクライナ東部ドネツク州北東部のシベルシク方面でウクライナ軍第10独立山岳強襲旅団の陣地に行った突撃のことだ。

第10山岳強襲旅団が待ち構えるなか、第123自動車化狙撃旅団は4個大隊、車両20両あまりを投じて、シベルシクのすぐ北東にあるルハンシク州ビロホリウカ町近郊に大規模な攻撃を仕掛けた。通常なら、ロシア軍の指揮官は攻撃に先立って、ウクライナ側を抑制するため砲兵部隊に敵陣を砲撃させるはずである。ところが、どういうわけか123自動車化狙撃旅団の指揮官はそうしなかった。
「準備不足で、支援も伴わない攻撃は失敗する運命にあった」とブロガーは嘆いている。はたして第10山岳強襲旅団は、第123自動車化狙撃旅団の接近してくるBMP歩兵戦闘車や大きな追加装甲に覆われた戦車、俗称「亀戦車」を、ウクライナ製のストゥーフナ-P対戦車ミサイルや、爆弾を搭載したドローン(無人機)で次々に攻撃し、破壊した。第10山岳強襲旅団は少なくとも戦車6両、BMP9両の撃破を報告している

第10山岳強襲旅団はロシア側の死者少なくとも19人、負傷者23人も確認しており、死傷者は大幅に増える可能性もある。前出のブロガーは「わが軍は戦車と歩兵戦闘車に大きな損害を出し、多くの兵士が死亡し、さらに多くの兵士が負傷した」とつづっている。

過失を処罰されない指揮官

第123自動車化狙撃旅団の負傷兵らは、失敗した突撃から5日たったあとも付近の樹林帯に横たわり、味方に後送(こうそう)してもらえるのを待っていたが、助けが来る気配はなかったという。「特別軍事作戦(ウクライナ侵略戦争のロシア側の呼称)が始まって3年目になるというのに、指揮官は相変わらず嘘をつき、過ちを犯し、兵士の命を軽んじている」とブロガーは強く非難している。

ロシア軍は1300km近くにおよぶ前線全体で強力な攻勢に転じて1年たつなか、いくつかの重要な攻勢軸で前進している。だが、ビロホリウカからシベルシク南郊ブイームカに向かう軸ではたいして前進できておらず、せいぜい数kmといったところだ。

2日の突撃から察すると、ロシア軍がこの方面で停滞している主な原因はずさんな指揮にあるのかもしれない。この先、第123自動車化狙撃旅団の指揮が改善する見込みも薄い。同じブロガーは、指揮官たちは過ちを犯しても責任を問われないので「処罰を恐れていない」と指摘している。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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