この突撃は、クラホベの北方およそ40kmに位置する要塞都市ポクロウシクと近隣のミルノフラド方面でウクライナ軍の防御線を押し込んでいくという、しばらく前から予想されていたロシア軍の行動の開始を告げる攻撃のひとつだった。ポクロウシクが陥落すれば、ドネツク州のウクライナ側の防御線全体が崩壊するおそれがある。
クラホベ郊外で次に起こったことはウクライナにとって朗報だが、束の間のものかもしれない。たしかに第46空中機動旅団はこの突撃を粉砕した。だが、今後もさらに同様の突撃が続くのは確実だ。
🇺🇦 46th BDE reported two 🇷🇺 attacks toward Kurakhove on Nov 4, comprising a total of 2 tanks, 11 BMPs, & a ZSU-23-4. Video shows 🇷🇺 vehicles hitting mines & 🇺🇦 artillery, FPVs, & UAV-dropped munitions targeting vehicles & troops.https://t.co/aW75BTjGVRhttps://t.co/k6hzLZ2xPz pic.twitter.com/NEwaDM9J12
— John Hardie (@JohnH105) November 5, 2024
ロシア軍の車列は激しい爆発に見舞われて停止した。破壊された車両から逃げまどうロシア兵に、ウクライナ軍のドローンは擲弾を投下している。
ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー最高司令官(大将)は8日、この攻撃などの映像を含む動画をソーシャルメディアで共有し、「われわれは追跡するし、見えるし、燃やす。ウクライナの戦士たちの技量は侵略者ロシアに付け入る隙を与えない」と誇っている。
現実は違う。ロシア軍部隊はウクライナ軍の防御線に突撃しては凄まじい人的損害を出すことを繰り返しながら、なお進軍を続けている。ロシア軍は死亡や負傷などで1日に1000人を超える人員を失っているものの、それを補えるだけの数の新兵を集めている。また、北朝鮮からの大勢の援軍にも助けられている。
ロシア軍は4日にはクラホベ郊外で敗北したとはいえ、東部、とりわけドネツク州では全体的に前進している。ウクライナのジャーナリスト、スタニスラフ・アセーエフは、ブフレダルやセリドベの失陥に触れながら「2カ月前、わたしはドネツク州の南部戦線全体が崩壊する脅威について書いたが、いまやそれは現実のものになっている」と危機感を示している。