3. 人は不健全な好奇心に抗うことができない
不健全な好奇心、つまり悲しい体験、不安な体験、グロテスクな体験を求める抗しがたい衝動は、強力な心理的欲動だ。しかし、なぜ私たちは、恐怖や悲しみ、不快感を呼び起こすコンテンツに、自ら進んで触れようとするのだろうか? その答えの一部は、それが純粋に仮の話であっても、未知のものを理解し、潜在的な脅威に備えようとする、私たちの生来的な欲求にある。2019年に文化・メディア・芸術に関する研究を扱う学術誌『Poetics』に掲載された調査では、お化け屋敷アトラクションを訪れた際に、恐怖を「最大限に高めて楽しもう」とした人も、「なるべく最小限に抑えて回避しよう」とした人も、どちらも恐怖体験から同じように満足を得られたことを、研究者たちは発見した。
「魅惑」と「恐怖」の間を綱渡りするスリルが、私たちのアドレナリンを急増させ、「闘争・逃走反応」(戦うか、または逃げるかという行動を起こす準備を整える生理的な反応)を活性化させる。
管理された環境下でこのようなコンテンツに触れることは、私たちが現実世界の危険なしに恐怖に立ち向かうことを可能にする。スクリーン上の恐ろしい状況に対する反応を試すことで、人生の暗い側面を安全に探求することができる。
ネガティブなコンテンツに惹かれるのは自然なことだが、そういうものに過度に夢中になると、意図せぬ結果を招く場合があると認識することが重要だ。ダークなメディアの過剰摂取は、感受性が鈍くなったり、不安が高まったりするおそれがあるため、バランスを取ることが不可欠になる。
今度、自分がダークなコンテンツや不安になるような話に魅了されていることに気づいたら、思い出してほしい。それはあなたの人格に欠陥があるためではない。だが、人はなぜネガティブなコンテンツに惹かれるのかを理解することによって、私たちは自分のそのような性質を注意深く管理し、自分の中に光と影のどちらの居場所も作ることができるのだ。
自分がどれだけダークで不気味なものに惹かれる傾向にあるか、もっと詳しく知りたい人は「不健全好奇心」を測るテストを試してみよう。
(forbes.com 原文)