欧州

2024.08.04 09:00

ロシア軍が東部要衝ポクロウシクに接近 滑空爆弾多用しウクライナの精鋭旅団押し込む

Shutterstock.com

だが、ロシア軍は第47旅団のM2ブラッドレー歩兵戦闘車をつぶすために新たな戦術を編み出した。空軍のスホーイ戦闘爆撃機が強力な滑空爆弾で後方地域をたたく一方、オートバイに乗る偵察部隊が前線のウクライナ側の陣地に探りを入れる。偵察部隊がウクライナ軍の車両を見つけると、対戦車ミサイル部隊がミサイルで攻撃する、というものだ。
advertisement

ウクライナの調査分析グループ、ディープステート(DeepState)は、ロシア軍がウクライナ軍の陣地に投下する滑空爆弾が「ここ数日で大幅に増加している」と報告している

2日かその少し前、第47旅団のブラッドレー1両が25mm機関砲で射撃しながらポクロウシク東方のロシア軍部隊に向けて進んでいたところ、真正面からロシア軍の対戦車ミサイルの直撃を受けた。ブラッドレーは爆発・炎上し、走行不能になった。乗員やほかの搭乗者は社内から脱出し、退却している。

ウクライナ軍の指揮官たちは懸念を募らせている。ロシア軍の指揮官たちは自信を深め、この正面の突出部に引き続き兵士や車両を投入している。

今後の情勢は不透明だ。ウクライナ側にとって希望のもてる点があるとすれば、市街地は比較的守りやすいことだろう。ロシア側はポクロウシクに近づくほど、現在の進軍ペースを維持することが難しくなるかもしれない。
advertisement

ウクライナのシンクタンク、防衛戦略センター(CDS)はすでにそうした動向を観察している。「ポクロウシクに向かう敵の現在の前進ペースは、市街地への接近によって減速しつつある」と2日の作戦状況評価に書いている。

とはいえ、ロシア軍をポクロウシクに近づかせないように長らく戦ってきたウクライナ軍にとって、それはたいした慰めにならないだろう。侵略者はじわじわとポクロウシクに近づいてきている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事