操縦士は自爆ドローンをこの車両に突っ込ませ、爆破した。ウクライナ側の観察者らが、この車両はTOS-1ではなく、もっと奇妙で珍しいものだったと気づいたのはそのあとのことだった。
それは、1970年代に開発されたT-72B戦車の車体に、これまた古いRBU-6000対潜迫撃砲を載せた新種のロケット弾発射車両だった。第3強襲旅団は「ロシアの牽引車両と海軍向けロケットランチャーのフランケンシュタイン」と表現している。
Video of an FPV strike by Ukraine's 3rd Assault Brigade on a Russian T-72 tank chassis with an RBU-6000 Smerch-2.https://t.co/2iHNkJvI5uhttps://t.co/WNEBf8x1rG pic.twitter.com/bTirLCbABV
— Rob Lee (@RALee85) August 1, 2024
ウクライナ側の報告で戦車以外の装甲戦闘車両を1万6000両あまり失ったとされるロシア軍は、新造や古い在庫の改修で十分な代替品を調達するのに苦労している。2022年2月の戦争拡大時点で、ロシア陸軍はTOS-1を50両ほど保有していたが、これまでにおよそ半数を失っている。
ロシア側はTOS-1などの車両が不足しているために、長らく放置されていたT-72Bを引っ張り出し、それを改造して潜水艦攻撃用の大砲を取り付けたのだろう。T-72Bは戦争拡大前、ロシア国内の屋外保管施設に860両ほど置かれていたことが衛星画像で確認されている。ロシアが北朝鮮からミサイル車両を輸入しているらしいのも同じ理由からだろう。
RBU-6000は本来は潜水艦を撃沈するための兵器だが、地上戦用の兵器としても悪くはない。命中精度があまり高くないので精密打撃には不向きなものの、敵部隊の制圧には十分役立つと考えられる。