ロシア軍はクラヒウカの東にあるウクライナ側の防御線を突破しようと24日に大規模な突撃を行っていた。この攻撃はウクライナ軍の精鋭部隊、第79独立空中強襲旅団の地雷や大砲、ミサイル、ドローン(無人機)を連携させた防御に阻まれた。第79旅団によると、ロシア側は大破した戦車6両と歩兵戦闘車両7両、焼けたオートバイ12台(つまり投入した全オートバイ)を残して撤退し、人的損失も死者40人、負傷者37人にのぼった。
ロシア軍は翌25日、装甲車両16両を投じたより小規模な突撃を行った。この攻撃も再び第79旅団の重層的な防御に遭うことになった。第79旅団の報告によれば、ロシア側は撃破された戦車1両とその他の戦闘車両2両を残して退却した。
「ロシア人23人がSVO(特別軍事作戦)を予定より早く終えました」。第79旅団はとロシア側の死者をそう表現し、さらに29人が「さまざまな重傷」を負ったとしている。
これらの戦闘が行われた場所から北へ30kmほどのプロフレス村正面では、統率の乱れたウクライナ軍部隊をロシア側が押し込んでいる。対照的にクラヒウカ正面でロシア軍は消耗の罠にはまりつつある。ロシア軍部隊は突撃してはウクライナ側の堅い防御に跳ね返され、大きな損害を被ることを繰り返している。
愚かしく見える状況だが、ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトはすでに5月の戦況レポートで、こうなりそうなことを予見していた。
クラヒウカは、そのすぐ西にあるウクライナ側の防御拠点、クラホベ市をロシア側が押さえ、ひいてはドネツク州の支配を固めていくうえで重要な場所だ。フロンテリジェンス・インサイトは「ロシア軍はクラホベを補給ルートから遮断するべく、クラヒウカに到達しようと試みる可能性が高い」と言及していた。