欧州

2024.08.04 09:00

ロシア軍が東部要衝ポクロウシクに接近 滑空爆弾多用しウクライナの精鋭旅団押し込む

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ウクライナ東部ドネツク州ポクロウシク正面で、ロシア軍は滑空爆弾の猛爆や対戦車ミサイルの大量発射による支援を受けながら着実に前進し、ウクライナ側の要衝であるポクロウシクまでわずか18kmほどまで迫っている。

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は2日、ポクロウシク正面について「依然として戦闘が最も激しい場所であり、占領者(ロシア軍)に対する最も集中した対応が必要だ」と認めた。ポクロウシク市はロシアの占領下にあるドネツク市やアウジーウカ市の北西に位置する。

ウクライナに対するロシアの全面戦争が2年6カ月目に入るなか、相反するような2つの状況がいずれも真実になっている。ロシア軍は、長期的には持ちこたえられないほどの数の人員と装備を失っている。半面、ロシア軍はなおウクライナ軍よりも多くの人員と装備を有しており、ほかの正面では攻撃が失速しているものの、ポクロウシク正面では数的優位を生かして進軍を続けている。

ロシア軍はポクロウシク東方の戦線の広い突出部におよそ20個の連隊・旅団を集結させている。総勢ざっと4万人と見込まれる。ウクライナ側は6個かそこらの旅団、総勢1万2000人ほどで敵の前進を抑えようとしている。

ウクライナの調査分析グループ、フロンテリジェンス・インサイトはすでに5月時点で、ポクロウシク軸の戦闘はウクライナ側にとって不利なものになると予想していた。

この軸に位置する集落オチェレティネについて「現時点で最も危険な正面のひとつだ。ロシア軍はこの正面に相当な数の兵力を配置しており、この兵力を用いてさらに押し込もうとしているのは間違いない」と同月21日のリポートに記していた。実際、オチェレティネはその後ロシア軍に占領されている。

レポートでは「ウクライナ軍は戦線を安定化させる措置を講じているものの、配置されている兵力が(ロシア側と)均衡していないため、戦線は不安定で非常に危険なものになっている」とも評価していた。

この正面でウクライナ側の防御を主導しているのは、ウクライナ軍の最も精強な旅団のひとつで、米国製戦闘車両の運用で中心を担っている第47独立機械化旅団だ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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