欧州

2024.05.08 10:00

ウクライナ、無人艇に熱源追尾の対空ミサイル搭載 ヘリ撃墜の可能性も

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昨年秋以降、ウクライナの自爆型水上ドローン(無人艇)による艦艇の撃沈や損傷が相次いだロシア海軍黒海艦隊は、空からの迎撃で対抗するようになった。

黒海艦隊の停泊地への進入路を戦闘爆撃機や飛行艇、ヘリコプターでパトロールし、近づいてくる水上ドローンの航跡が認められればミサイルや機関砲、機関銃などで攻撃を加えている。

しかし、物理の世界と同様に、戦場でも作用があれば反作用があるものだ。ウクライナの水上ドローンは現在、対空ミサイルを搭載するようになっており、すでにそれを発射してロシア軍の航空機に反撃している可能性もある。

5日か6日に黒海で撮影された映像には、ロシア軍のカモフKa-29ヘリがウクライナの水上ドローンの上空を旋回し、機銃掃射する様子が映っている。水上ドローンは全長5.5mかそこらの「シーベビー」か、それよりもう少し小型の「マグラV5」とみられる。ロシア側はこの水上ドローンを破壊したもようだ。

ウクライナは6日にクリミアの黒海艦隊を水上ドローンで襲撃しており、Ka-29と水上ドローンの交戦はそれに関係したものかもしれない。この襲撃では哨戒艇1隻の撃沈が報告されている

ロシア軍機によるウクライナの水上ドローンの撃破は過去にもあった。映像の水上ドローンで注目されるのはむしろ、上部にミサイル2発用のレールランチャー(担架)が設けられ、片方に赤外線で誘導される全長3m弱のR-73空対空ミサイルを載せていた点だ。ウクライナの一部の水上ドローンは対空ミサイルを装備して航行しているらしい。

通信アプリ「テレグラム」でロシア人が運営する軍事チャンネル「ファイターボンバー(Fighterbomber)」は驚きを隠さず、「ウクライナはどうにかしてミサイルを遠隔制御システムに接続させた」と書いている

R-73のシーカー(目標探知・追尾装置)は航空機エンジンなどの熱源から発せられる赤外線を感知するので、発射母機からテレメトリー(遠隔計測)して誘導する必要がない。とはいえ、ファイターボンバーが操縦士はどうやってこのミサイルを遠隔操作で狙いを定め、発射するのか疑問に思うのは当然だ。
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翻訳・編集=江戸伸禎

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