サイエンス

2024.04.28 16:00

完璧主義から生じる「先延ばしグセ」を乗り超える方法

荻原藤緒
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自分のアイデンティティーについて省察し、思い込みを変えるために、以下の3つの方法を試してみよう。

その1:問題の根源に立ち返る

いったん立ち止まり、「完璧でなければならない」という気持ちがそもそもどこから生じているのか思い返してみよう。もしかするとそれは、育ってきた環境において「完璧であること」が愛情や承認を得られる条件になっていて、自分に寄せられた期待を内面化したせいかもしれない。

完璧さを求める思いがなぜ深く自分に根付いているのかを探り、内省を通じて「自分本来の姿」により近い視点を見つけよう。そして、それがどのようなものであれオープンに受け入れる姿勢を持ってほしい。

完璧主義ゆえの先延ばしグセの裏にある隠された理由を見つけ出して対処するためには、心理カウンセラーやメンタルヘルス専門家に助言を求めることも有用だ。心理療法や認知行動療法(CBT)は、個人が抱える完璧主義にまつわる懸念を払拭するのに有効な手法として知られている

その2:客観的なフィードバックを求める

周囲の人が自分を見るようなまなざしで自分自身を見つめてみよう。人は、他者を評価する時よりも厳しい目で自分を評価しがちだ。ひょっとすると、本当はかなり仕事の出来栄えが良く、高い水準を満たしているのに、自分では成果を認められずにいるだけかもしれない。

他の人から「優れている」と評価される仕事について、自分を責めても意味はない。信頼の置ける助言者にセカンドオピニオンを求めよう。他者のフィードバックが支えとなり得る。

その3:「完璧に仕上げる」よりも「前に進む」ことを重視する

限界に挑むことは大事だが、それにも増して重要なのは、自分を批判する「内なる声」に流されないことだ。

過去の水準にとらわれることなく、継続的な向上を重視しよう。非現実的な理想に自分を縛りつけるのをやめ、成長し前進することに注力すべきだ。一発で完璧に仕上げようとこだわるよりも、少しずつでも前進していることを評価するように意識を切り替えよう。努力や積み重ねにはすべて価値があると考え、ミスをしても、すべて改善につながる道だという認識を持とう。
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翻訳=長谷 睦/ガリレオ

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