困難に直面したとき「感情に責任を持つ」ために 心理学者が教える2つの方法

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自分の感情を認識し、感情に対して責任を持つことは、単なる精神的な強さにとどまらず、人生において極めて重要なスキルだ。こうした努力を怠れば、メンタルヘルス、人間関係、ひいては全体的な生活の質に、無数の悪影響が及ぶ。

自分の感情を無視しようとしても、感情はただ消え去ってはくれない。表面下で悪化し、不適切なタイミングで、不適切な形で噴出する。無視してきた自分の感情は、ストレス、不安、さらには怒りへと変化し、感情面での重荷となって、私たちの心を蝕む。

感情を無視することはまた、人間関係にも負の影響をもたらす。抑圧した感情は、受動攻撃的な言動や、突然の爆発といった形で吐き出されるかもしれないからだ。

加えて、長期的な感情の抑圧と、身体的な健康問題には、明確なつながりがあることが、研究から明らかになっている。感情と身体的健康には、切っても切れない関係があるのだ。

どんな状況においても、外からの刺激と、内からの反応のあいだには、短いが重要な時間枠がある。そして、そこでの選択は、私たちの感情的知性に深く根ざしたものになる。

・対立や衝突という瞬間に直面したとき、課題に取り組むことを選ぶのは、建設的で積極的なマインドセットの現れだ。こうした意思決定は、問題を理解し、取り得る解決策を吟味し、オープンなコミュニケーションを保つといった行動を伴う。

・一方、状況を回避するという選択は、離脱や撤退を志向するもので、恐怖、不快感、衝突回避の欲求に突き動かされている。回避によって一時的な安心感は得られるかもしれないが、根底にある問題には対処できず、成長と理解のチャンスを逃すことになる。

・また、課題を攻撃するという選択は、攻撃的、自衛的、敵対的な反応を生む。これらの裏には、怒り、フラストレーション、恐怖といった激しい感情があることが多い。このような攻撃的アプローチは、人間関係を損ない、効果的な問題解決を阻害し、対立をエスカレートさせかねない。

このような岐路に立ったとき、自分の「感情に責任を持つこと」は重要だ。自分の感情を理解し制御することで、状況に効果的に対処し、健全な人間関係を培うことができる。

感情に責任を持つ具体的な方法を、以下に2つ紹介する。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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