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2024.01.01 16:00

「完璧」ではなく「十分」な恋愛関係を築くための黄金律

遠藤宗生

Getty Images

愛とパートナーを求める人々は、しばしば「完璧にマッチする相手」という幻想を果てしなく追い続ける。理想にぴったり一致して、激しい情熱をかき立ててくれる相手が必要、という考えだ。

けれども、個人同士の深い関係を研究する著名心理学者ジョン・ゴットマンは「完璧な関係」ではなく「十分(good enough)な関係」に価値を見いだす。

ゴットマンによれば、「永続的な愛」の本質は、現実に即した期待と、うそ偽りのないつながり、そして、相互の成長へのコミットメントのバランスを維持することにある。こうした視点は、究極の目標として多くの人が持っている「何ひとつ欠点のない関係」に対する信念を覆すものだ。

「十分な」関係は、誰もが羨む一見「完璧」な関係よりもずっと長続きすることが多い。「十分な」関係を目指すべき3つの理由と、そうした関係を築くために踏み出すべきステップを、以下で見ていこう。

1. 現実的な期待を保つ

並外れて高い要求水準をもつことは、長期的に見て、健全な関係を害することがある。学術誌『Personal Relationships』に掲載されたある論文によれば、結婚相手に対する要求が非現実的だったり、過大だったりすると、結婚の遅れや非婚につながるおそれがある。

また、非現実的な要求水準をもつ人は、質の高い恋愛関係を築くことに苦労しやすく、現在のパートナーと結婚する見込みを低く見積もり、結婚の展望に対して低レベルの心理的・行動的投資しか示さない傾向にある。

もちろん、相手からぞんざいに扱われることを受け入れるべきではない。「十分」と言える関係とは、落胆しないために期待を下げるという意味では決してない。

「十分な」関係性とは、敬意、愛情、親しみをもって向き合う関係だ。こうした関係にあるカップルは、時に相手に落胆することは避けられないと認識し、お互いが持つ葛藤解決のスキルは、2人の関係の決定的な強みであると考える。現実的な期待を維持することで、パートナー同士が互いを尊重し理解する関係の土台を築くことができる。

そのためには、以下を心がけよう。

オープンで率直なコミュニケーションを育み、お互いが期待する内容をはっきりと理解できるようにしよう。そうすることで、透明性と信頼の感覚が醸成される。

葛藤解決に必要とされるスキルを磨き、意見の不一致を建設的に解決しよう。そして、不満や怒りが蓄積されることによって関係性が蝕まれてしまう状況を避けよう。
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翻訳=的場知之/ガリレオ

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