欧州

2024.04.06 11:00

ウクライナ、ドローンでロシア空軍基地を攻撃 戦闘機6機破壊か

遠藤宗生
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ロシア側はドローン攻撃の危険性を十分に認識していた。一部の空軍基地では、おとりとなるようコンクリート上に航空機の絵を描いていたほどだ。


モロゾフスク空軍基地

モロゾフスク空軍基地はウクライナから600km弱しか離れておらず、攻撃ドローンで十分狙えるところにある。

同基地には戦闘機のSu-24、Su-24M、Su-34/35が配備されているとみられる。これらはロシアの航空戦力の支えであり、ここ数週間、滑空爆弾でウクライナに深刻な損害を与えている。滑空爆弾は翼と誘導システムを備えている。戦闘機はウクライナ軍のパトリオット地対空ミサイルシステムを避けるために離れたところで爆弾を投下し、爆弾は衛星で正確に誘導され滑空する。最も大きなもので重量は3トンを超え、甚大な被害をもたらす。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、3月にロシアは3000を超える滑空爆弾を投下したと明らかにした。この一方的な爆弾攻撃を阻止することが、ウクライナの優先事項だ。モロゾフスク空軍基地への攻撃には、そうした意図があることは明らかだ。

ロシア空軍に近い軍事ブロガーFighterbomberは、同軍の損失に関して信頼できる情報源だ。Fighterbomberは5日、不発弾を扱っていた空軍基地の部隊が二次爆発で負傷したとSNSに投稿した。これは、ドローンが少なくとも空軍基地に飛来したことを示すさらなる証拠だ。だが、ロシア軍の戦闘機の損失についてのロシア発信の情報はない。

衛星画像で被害状況がある程度わかるかもしれないが、ロシアは正確な損失の程度がわからないよう、できるだけ早く現場を片付けるだろう。損失は今後数週間でロシア軍がどのような航空戦術を取るかにはっきり示されるかもしれない。

以前にも指摘したように、ロシアの防空システムは今のところウクライナのドローンを阻止できないことがわかっている。ウクライナが製油所や空軍基地など遠く離れた標的への攻撃を増やすにつれ、ロシアはそれらを守るためにウクライナから防空部隊を引き揚げるかもしれない。だが、そうしたところで大きな違いは生まないかもしれない。そして攻撃は続き、激化する可能性が高いようだ。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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