「デザイン学部のほとんどの学生は社会をどうするか? に一律に関心が高い。何かやろう、という意欲がある。でも、じゃあお金をどうする? というところでその先に行くのに苦労する」
デザイン学部の授業を受けた経営学を学ぶ学生も同様の印象を語っていました。つまり、デザインの学生は社会への関心の持ち方が違う、と。さらに説明を加えれば、デザイン側の学生はプロジェクトのお金の工面に困ったとしても、経営学にそこまでダイレクトに関心を抱いていないことが普通でしょう。
デザイナーは何らかの問題に気づいたときに身軽というか、自らの手を動かしてどうにしかようとするタイプが多い。生の人のあり方に関心が強く、そのためにデザイナー自身と人との距離が必然的に近いこともあると思います。
11月、国際ブラインドフットボール財団がミラノ工科大学のキャンパスでデザインの学生を相手にワークショップを行いました。視覚を意図的に遮ることで逆に見えてくるものが多いという趣旨と効用を学生たちは身体で即座に理解したようでした。
参加した学生たちはノリが抜群に良いです。こうしたタイプの人たちは経営学を学んだ人のノウハウに頼らなくても、自分たちで問題を解決できると考える傾向にあります(現実に解決できるかどうかは別として)。

