今でも北陸新幹線は、東京から金沢までつながっているので、千曲川ワインバレーから新潟、富山、石川の日本海ワイナリーエリアを楽しむことが可能だ。それが、軽井沢初のワイナリーオープン、北陸新幹線福井(敦賀)延伸により、沿線全体のワイナリーが注目され、今後東京方面から、軽井沢をゲートウェイとして、千曲川(ちくまがわ)ワインバレー、新潟、富山、金沢、福井までの宿泊を伴うワイナリーツアーが活発化するだろう。
「北陸新幹線 美食観光経済圏の無限の可能性とは」(第4回目)は、アカデミー・デュ・ヴァンのワイン講師の林麻由美さんに、軽井沢をゲートウェイとして福井までの、日本最大級のワイナリー・ヴィンヤードの集積地でもある北陸新幹線沿線の魅力についてお聞きする。
鈴木幹一(以下鈴木):北陸新幹線沿線をワイナリー視点で見ると、千曲川ワインバレーの標高が600~900mの高原ワイナリーエリアと、標高の低い新潟、富山、石川、福井の日本海ワイナリーエリアと、テロワールの違うワイナリーを同じ沿線で体験できるようになります。 まずは東京からのゲートウェイとしての千曲川ワインバレーの魅力についてどのようにお感じでしょうか。
林麻由美さん(以下林):千曲川は、埼玉県の秩父に隣接するレタスの生産量日本一を誇る長野県川上村が水源です。ここから、長野県を横断して最後は新潟県を横断して日本海に流れ出る全長367キロの日本で一番長い川です。第二位の利根川322キロ、第三位の石狩川268キロと比べても、千曲川が抜きんでて長いことがわかります。面白いのは、長野県側は千曲川、新潟県側は信濃川と名前が変わるところです。
千曲川ワインバレーは千曲川の上流に位置し、標高600mから900mの高原で、日当たりが良く、降水量も少ないワイン用ブドウの銘醸地として有名なエリアです。古くから上流から下流を見て右岸側にワイナリーが多かったですが、最近では左岸側の丘陵地にワイナリーやヴィンヤードが増えてきました。右岸側と左岸側はテロワールが異なるので、今後は飲み比べをする楽しみ方も増えていくでしょう。