食&酒

2023.11.22 12:15

軽井沢から福井まで、日本最大級のワイナリー・ヴィンヤード集積地とは

福井で一番古く、ヤマブドウを極めている白山ワイナリー

:福井県は、ワイナリーエリアとしてとても魅力的だと思っております。まずは福井県で一番古い白山ワイナリーです。6haの畑で主に日本の縄文時代から自生している古来品種であるヤマブドウや、ヤマブドウの自生種交配種の「小公子」「ヤマ・ソービニオン」に特化した、力強い酸味と果実味のバランスの良いワイン造りをしています。ヤマブドウは、リンゴ酸、各種ビタミン、鉄分、カルシウム、ポリフェノールなどが他の黒ブドウ種と比べて多く含まれており、また病気にも強く低農薬で栽培できることから、最近急速に注目が集まっている品種です。

福井県の越前海岸のシックススリーエステートワイナリー(福井県越前市)にて。左が代表取締役の西野恒樹さん、右が林麻由美さん

福井県の越前海岸のシックススリーエステートワイナリー(福井県越前市)にて。左が代表取締役の西野恒樹さん、右が林麻由美さん

福井県では、最近新しいワイナリー・ヴィンヤードが続々オープンしてます。特に越前岬から三国の越前海岸エリアが急速に注目されてきました。最近、この辺りが「越前海岸ワインコースト」と言われ始めてきました。

福井県二つ目のワイナリーとして、北陸新幹線の越前たけふ駅の近くに、シックススリーエステートワイナリーが、レストラン併設のワイナリーをオープンします。ブドウ畑の近くにコウノトリの生息地があり、多くのコウノトリが飛来している事から、コウノトリがブドウをくわえているとってもかわいいロゴマークを、すべてのボトルのエチケットに使っています。3haの畑でカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、カベルネ・フランなど欧州系品種を中心に14種類のブドウを育ててます。
また、越前海岸のあわら市には、社会福祉法人から独立したNPO法人ピアファームが運営するヴィンヤード(醸造は白山ワイナリーに委託)が有ります。知的障害者がワイン用ブドウをつくっています。もともと食用のブドウやナシの栽培を手掛けていましたが、2014年から自社ブランドのワイン販売も視野に、生食用・醸造用いずれにも適するというブドウ品種「マスカット・ベーリーA」の栽培を始めました。粉砕したホタテの貝殻を撒くなど、特に土壌づくりにこだわってます。ホタテの貝殻を撒くと、病気に強いブドウが出来るそうです。

このように最近「越前海岸ワイナリーコースト」と言われはじめているエリアは、いずれも個性豊かな生産者の存在で、今熱い視線が注がれ始めてきました。とても楽しみなエリアです。
次ページ > ふくいワインカレッジの存在

文=鈴木幹一

ForbesBrandVoice

人気記事