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2023.03.20 11:15

マイクロソフトが最新AI「ChatGPT」を積極展開する理由

WordやOutlook、TeamsなどMicrosoft Officeの定番アプリケーションにGPTモデルをベースとした生成型AIが統合される

WordやOutlook、TeamsなどMicrosoft Officeの定番アプリケーションにGPTモデルをベースとした生成型AIが統合される

Microsoft(マイクロソフト)のウェブブラウザ「Edge」の検索エンジン「Bing」やWindows 11にも、AIチャットボットの「ChatGPT」で話題のOpenAIが開発する人工知能が組み込まれている。マイクロソフトは今後もAIの積極的な導入についてどこまで踏み込むのだろうか。

OpenAIに大規模な投資、コンピューティングリソースを提供

マイクロソフトは2019年からOpenAIとの戦略的なパートナーシップを結び、機械学習と人工知能による情報のアウトプットの両方をこなす生成型AI(ジェネレーティブAI)の技術革新を押し進めている。

OpenAIによる自然言語処理、大規模な言語モデル(Large Language Model、LLM)に関わる開発に対して、マイクロソフトは大規模な投資とコンピューティングリソースの提供を行っている。目的の1つは、マイクロソフトによるBtoB、あるいはBtoCの市場に向けた製品とサービスに「最新鋭のAI」を組み込み、他社製品との差別化を加速させるためだ。

マイクロソフトはOpenAIが開発したAIモデルに独自のチューニングを加えて、2021年の夏頃から次々に新しいプロダクトやサービスを市場に投じている。

2023年3月にはウェブブラウザのEdgeにAIベースの検索エンジン「Bing」を組み込み正式にリリースした。さらに直近では3月17日に、ビジネスやクリエイティブの定番アプリケーションであるWord、Excel、PowerPoint、Outlook、Teamsを統合するツール「Microsoft 360 Copilot」が、OpenAIの最新AIモデルである「GPT-4」を搭載するかたちで今後数カ月以内にリリースされることも明らかになった。

EdgeにWindows、アプリからも利用できる検索エンジン「Bing」

マイクロソフトの新しいAIサービスの中で、本誌読者の方々が最も手軽に試せるBingの特徴を簡単に説明しよう。Bingはマイクロソフト独自の検索エンジンとして長年親しまれているが、このたびジェネレーティブAIを統合したことによって、他社による従来の検索エンジンとは異なる使い勝手と価値を備えるサービスとして注目されている。

AI対応の「新しいBing」は、正式リリースの1カ月前にプレビュー版がリリースされているが、この時点ですでに英語だけでなく日本語を含む複数の言語に対応していた。プレビュー版へのアクセスには若干面倒な準備が必要だったが、これをいち早く試したユーザーは新しいBingの検索能力の高さ、知りたい情報をAIがまとめて提供する体験の斬新さを熱っぽく語っていた。
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編集=安井克至

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