日本マイクロソフト津坂社長もAIに全力投球を宣言
日本マイクロソフトがオンラインで開催したメディアセミナーには、代表取締役社長である津坂美樹氏が出席。津坂氏は、今後も製品やサービスにパワフルなAIを積極活用するというマイクロソフトのグローバルな方針と、日本のマイクロソフトが同じであることをあらためて強調した。津坂氏は「今後、情報の整理とアウトプットまでを担う新しい時代のAIを実装するアプリケーションがデファクトスタンダードになる」と述べている。BtoBクライアント向けのクラウドコンピューティングサービス「Azure」はマイクロソフトの主力を担うプロダクトの1つだ。今年の1月からAzureにもOpenAIのLLMであるGPTのほか、コンピュータプログラムの解析と自動生成に対応するCodex、テキスト情報からデジタル画像を生成するDALL-EなどのAIモデルが組み込まれ、Azure OpenAI Serviceとして提供を開始している。
マイクロソフトのクラウドコンピューティングサービス「Azure」もOpenAIのAIモデルの数々と連動する
同プロダクトの特徴について、マイクロソフトの担当者は「AIを意識することなく利用できるプラットフォーム」であることと説いている。クライアントのデータサービス、アプリケーションとシームレスに統合可能であるほか、エンタープライズグレードの高いセキュリティ性能を備える。さらに倫理的な観点から、AIによる不正な、あるいは有害な挙動を検出して未然にブロックするコンテンツフィルタリングのツールも提供する。
日本の企業にも広がるAI対応のAzure
日本国内にもAzure OpenAI Serviceを採用する企業が増えている。パナソニックコネクトは新しくAIベースのチャットボットを開発。同社に勤務する約1万2500人の従業員が、それぞれのワークフローにAIチャットを組み込んで生産性の向上を図っている。ジェネレーティブAIによる機能を最大限まで活用するためには、これを使いこなす人間が「AIに対する質問力」を高めることが重要と言われている。パナソニックコネクトでは業務に新しいAzureを導入することで、従業員がAIとの向き合い方に慣れ、質問スキルを高めながら技術セットを醸成する環境をいち早く整えた格好だ。今後はAIに強い人材の育成にも力を入れる。