AI

2023.03.20 11:15

マイクロソフトが最新AI「ChatGPT」を積極展開する理由

WordやOutlook、TeamsなどMicrosoft Officeの定番アプリケーションにGPTモデルをベースとした生成型AIが統合される

3月に正式リリースされた新しいBingは、現在誰でも手軽に利用できる。ウェブブラウザのEdgeのほか、例えばWindows 11のユーザーは画面下のタスクバーからすばやく呼び出せる。モバイルアプリのBingは音声検索も可能だ。音声通話アプリのSkypeにはグループチャットの中ですばやくBing検索を呼び出せる機能がある。
advertisement

Windows 11のタスクバーにも「新しいBing」が統合されているWindows 11のタスクバーにも「新しいBing」が統合されている

日本は7割のユーザーが「Bingに満足」

マイクロソフトは、自ら思考するように情報をアウトプットするジェネレーティブAIを「Copilot=副操縦士」と呼び、ウェブ検索やオフィス統合ツールなどにおいてユーザーの日常的なタスクを支援する相棒として位置づけている。

ちなみにBingを支えている一連の技術スタックはマイクロソフトが開発した「Prometheus(プロメテウス)」という独自のAIモデルだ。ギリシャ神話の中に登場する神、プロメテウスは人間の創造主とも記述されている。
advertisement

マイクロソフトのプロメテウスの土台になるAIモデルはOpenAIのGPT-4だ。マイクロソフトの担当者は「GPT-4が元から備える知識の範囲が限定的だったため、これにマイクロソフトのBingが過去に収集した情報をドッキングしてPrometheusを完成させた」と伝えている。最新のホットなスポーツ情報、音楽ヒットチャートの動向なども、プロメテウスを素地とするBingは答えられる。筆者もmacOS版のEdgeに搭載するBingをよく活用しているが、日本国内の時事にもBingは割と広く精通する印象を受ける。

OpenAIのGPT-4をベースにマイクロソフトが独自のチューニングを加えたAIモデル「Prometheus」がBingの有機的なAI検索を実現しているOpenAIのGPT-4をベースにマイクロソフトが独自のチューニングを加えたAIモデル「Prometheus」がBingの有機的なAI検索を実現している

次ページ > 日本マイクロソフト社長もAIに全力投球を宣言

編集=安井克至

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事