一般的な傾向として、企業向けソフトウェアは、かつての巨大でモノリシックな、すべてに対応できるような単一のソフトウェアプラットフォームではなく、より小型でモジュール化された、目的を絞った機能が求められるようになってきています。
企業資源計画(ERP)ソリューションプロバイダーのような大規模なソフトウェアプラットフォームでさえ、クラウドソフトウェアがよりモジュール化されているため、クラウドへ移行し、モジュール化を取り入れています。
今日、ソフトウェアエンジニアは、大規模なプラットフォームの中に組み込まれるのではなく、実行に必要なデータを提供することで、モジュールの機能にアクセスできるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を介して、これらのモジュールを組み合わせています。
マイクロサービスはまさにそれを実現しているものであり、例えば、決済の受け付けなどの標準的な機能を、その本質的な要素に分解します。そのため、ソフトウェアエンジニアは、マイクロサービスを独自のコードと組み合わせることで、最小限のプログラミングでカスタム・アプリケーションを作成することができます。
その結果、すべての人のニーズに応えようとするような大規模なモノリシックなアプリケーションのように、変更があるたびにテストや再コンパイルは不必要で、カスタマイズすることが可能です。
もしマイクロサービスがエンジニアのニーズに応えられないのであれば、カスタムコードで置き換えることができます。
同様の取り組みとして、Oracle社は”近代小売業のためのプラットフォーム”を再構築し、最小限のプログラミングで素早く機能をつなぎ合わせることができるローコードプラットフォームにより、コンフィギュレーションではなく、拡張性(=全てのニーズに応える機能をプラットフォームに組み込む)を可能にしました。Aptos ONEオムニチャネルリテールプラットフォームは、マイクロサービス上に構築されています。
ヘッドレスコマースとは、ソフトウェア・ディスアグリゲーションの一種で、店舗用のソフトウェア(フロントエンド)と、会計や在庫を処理するバックエンドを分離し、販売をより迅速かつ効率的に行い、店舗管理をし易くするものです。
店舗側のプロモーションやポリシー変更を実行するためだけに、Eコマースプラットフォーム全体を再構築することは、非効率であり、ほとんど意味がないのです。