最新のPOS端末のほとんどは、Google PayやSamsung Payなど他のプラットフォームのNFCベースの決済の利用が可能ですが、安全性に対する消費者の期待により、より多くの小売業者がこの機能をオンにするようになり、タップして支払うカードやスマートフォンでの決済を採用することが一般的になってきました。
また、レストランのメニューなど、物理的なものに触れたくないという消費者の要望から、25年前からあるQRコードの技術も組み合わされ、スマートフォンを使って非接触でメニューを読み取ることができるようになりました。
こうした取り組みで、多くのレストランでは、より迅速な注文が可能になり、メニューの印刷コストを削減し、現在のインフレ環境下でダイナミックに価格を上げることができるように、積極的にQRコードを使ったメニューを採用し続けています。
WHAT WE THINK
ブランドや小売企業は、Eコマース機能の拡大という喫緊の課題から、サプライチェーンの乱高下や供給不足、インフレ圧力に伴う消費者行動の変化まで、さまざまな課題に直面し続けています。それでも、小売企業は、オフラインとオンラインの両方のチャネルで、消費者へ利便性や体験を提供するために、新しいテクノロジーに投資する必要があります。
テクノロジーは、それ自体が小売企業やブランドが直面するすべての課題に万能に対応できるわけではありませんが、本レポートで取り上げるテクノロジーは、小売企業のコスト削減、柔軟性やイノベーションの向上、そして新たな収益機会を切り開く後押しをしてくれるでしょう。
ブランドや小売企業にとっての意味合い
・AI/MLベースの需要予測ツールを採用することで、小売企業は需要、在庫、品揃え、価格設定のための強固なプラットフォームを構築することができます。・クラウドコンピューティングやマイクロサービスなどの新しいテクノロジーは、固定費を削減し、ブランドや小売企業迅速なイノベーションを後押しすることができます。
・小売企業にとって、ライブストリーミングやメタバースは、潜在的に大きな可能性を秘めた新しいチャネルと収益の機会となるでしょう。
テクノロジーベンダーにとっての意味合い
・クラウドコンピューティングは進化を続けており、ベンダーは現在、柔軟性の向上とイノベーションの加速の面で利点を持つ、マルチクラウドプラットフォームを採用しています。・現在、5Gワイヤレスネットワークは世界中で実用化されていますが、魅力的なアプリケーションの開発はまだ初期段階にとどまっています。
・セルフレジや無人サービス、実店舗でのデータ収集など、ハードウェアの開発にはまだまだチャンスの余地があります。