コスト削減
5. クラウドコンピューティングにより、固定ハードウェアや固定コストから脱却し、イノベーションが加速クラウドコンピューティングは、さまざまな意味で企業コンピューティングに革命を起こし、活力を与えています。
仮想化や高速光通信ネットワークなどのソフトウェア技術の進歩により、遠く離れたコンピューティングセンターが、ローカルサーバーと同じように機能するようになりました。
ソフトウェアはこのリソース管理をユーザーから完全に不可視にするため、企業はどのサーバーで実行されているかを正確に知ることなくアプリケーションを実行し、ネットワーク化されたデータセンターの膨大なコンピューティングパワーを利用することができます。
このことは、以下に述べるように、財務面、革新性、持続可能性の面でさまざまな利点があります。
・財務面
クラウドコンピューティングは、企業が自社のコンピューティングセンターを運用する際の固定費の多くを、より変動的な「Pay as you go(使った分だけ支払う)」戦略に転換することを可能にします。これは、多くの企業が稼働率の低いコンピューティングセンターを運用し、ブラックフライデーなどのピーク時にのみ高いレベルの利用が発生する可能性があるため、重要なポイントです。
さらに、クラウドへの移行により、特にSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)モデルでは、機器の保守に必要な減価償却費と人件費という固定費が変動費化されます。そのため、これまでハードウェアの保守やメンテナンスに必要だった従業員を、より生産性の高い業務に振り分けることができます。
・革新性
これまで一般的だったモノリシックなエンタープライズソフトウェア・アプリケーションでは、更新のたびにベンダーが再コンパイルやテストを行う必要があり、高額でプロセス自体に長い時間が必要でした。しかし、クラウドソフトウェアでは更新が四半期ごとに行われます。
大規模で静的なソフトウェアパッケージからアプリケーションを切り離すことで、企業はより頻繁なソフトウェアアップデートから生まれる新機能を採用し、より迅速に技術革新を行うことができます。また、より柔軟なソフトウェアの構築により、新機能のテストや展開能力が強化されます。
・持続可能性
クラウド構造は、複数のサーバーやサーバーファームにコンピューティング作業を分散させるため、1つの企業向けの1つのコンピューティングセンターよりも、これらの資源をより集中的に活用することができます。また、業種によってピークタイムが異なるため、より効率的な利用が可能となり、電力やその他のリソースをより効率的に使用することができます。
さらに、新しいサーバーファームの多くは、屋根にソーラーパネルを設置し、電力網への依存度を下げる努力をしています。