リテールテクノロジーの10大トレンド 小売企業はこう進化する

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・ブロックチェーン技術は、ピアツーピアのネットワークを介した取引の分散型台帳を実現します。ブロックチェーンは、取引がウォレットアドレスによってのみ認識されるため、メタバースにおいての匿名性を確保することができます。

また、仮想世界内における経済の取引を、より速く、より効率的に行われる事を可能にし、活発なクロスボーダー取引や大量取引をも可能にします。取引はピアによって検証され、ブロックチェーンの複数のポイントにわたって記録されるため、メタバースにおけるプライバシーとデータのセキュリティは、ソーシャルメディアなどの現在のプラットフォームよりも優れたものになります。

また、分散化により、アバター、製品、世界、仮想製品など、本来ナビゲートが難しい仮想世界へのアクセスを可能にし、透明性を向上させることができます。

・暗号通貨は、ブロックチェーン技術に基づくデジタル通貨で、政府や組織による管理を受けません。グローバルなメタバースのエコシステムは、貿易障壁の撤廃や機能的な仮想経済の確立という2つの重要な点において、暗号通貨から恩恵を受けることになるでしょう。

 ・ノン・ファンジブル・トークン(NFT)は、ブロックチェーン上に保存された交換不可能なデータユニットで、デジタル資産の真正性、セキュリティ、検証、保護がされています。NFTは、メタバースにおけるデジタル不動産、アート作品、アパレル、ゲームアイテムの所有権を確立するために使用されています。

 ・機械学習(ML)と組み合わせた人工知能(AI)は、バーチャルアイドル、リアリティ技術を駆使した体験、パーソナライゼーションなどを通じたコンテンツの作成とエンゲージメントを通じて、メタバースへの没入感を向上させます。

 ・VR/AR/MR(仮想現実、拡張現実、複合現実)は、コンピュータグラフィックスとライブ映像を様々に組み合わせたものです。これらの技術はまだ初期段階ですが、インテリアプランニングへの利用などの成功例は既にあります。

しかし、VRヘッドセットはまだ高価で、機能も十分ではありません。とはいえ、コンピュータのハードウェアとソフトウェアの性能は着実に向上しており、また、家電製品の量産によるコストダウンも進んでいるため、メタバースのハードウェアは、いずれ魅力的で、より手頃な価格になる可能性があるでしょう。

 ・IoT(モノのインターネット)とは、センサーやデバイスをインターネットに接続することであり、メタバースの場合、メタバースの住人に身体感覚を提供するための触覚アクチュエータなどの物理デバイスへの接続を意味します。

 ・5Gとは、現在の第5世代の携帯電話無線技術のことで、前世代に比べ、広帯域、低遅延(ネットワークへのアクセスの遅れなど)、接続可能なデバイス数の多さなどが特徴です。その性能の高さから、固定された有線やWi-Fiネットワークに縛られることなく、場所を選ばずにメタバースにアクセスできることが期待されています。
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文=RxR Innovation Initiative

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