日本はこれまで国内需要が大きく、日本国内だけに目を向けていても問題はありませんでした。ただ、今後はそういった前提が崩れていくだけに、価値を再定義するいい機会ともいえるはずです。
鎌田:そうですね。
中道:ただ、今の日本には足りない部分もあるはずで、たとえばコミュニケーション能力は高める必要はあると感じています。日本人同士であれば問題ないものの、外国人相手や英語での会話となった瞬間に、一気にコミュニケーションの壁が出てきてしまいます。
英語に関しては、「流暢に話せなければいけない」という思い込みがその一因かと思いますが、実際はそんなことはありません。それに気づくには、海外に出る機会を増やすことが必要です。
それに、海外から日本を見ると、新たな発見もあります。たとえば、世界で日本以上に素晴らしいトイレはありません。食文化でもミシュランの星の数が最も多いなど、個人的には日本が世界で一番クオリティが高いと思っているほどです。
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鎌田:なるほど。
中道:日本の食文化は和食だけでなく、フレンチやイタリアン、中華と、海外からもよいものを取り入れ、さらに深めて提供しています。ただ、それを国内にとどめてしまっているという課題もあります。
海外展開ができれば規模もより拡大するはずですが、やはりそこには言葉をはじめとするコミュニケーションの壁があり、国内で完結しても生きていけるという環境もあります。
この状況は、食に限らず全体に当てはまると考えていて、僕らはその壁を打ち破るためのサポートをビジネスのベースとしています。鎌倉投信の投資信託に投資する方々も、似たような考えの方が多いのではないでしょうか。
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鎌田:そうですね。確かに、今後は海外とのつながりやよい意味での危機感が、経済成長の原動力になりそうです。日本国内だけで経済を完結させるのは不可能なので、海外を知ることで逆に自分たちの存在価値を見直すことはできそうですね。
現在の日本はちょうど端境期にあたる時期で、決して挑戦意欲が低いわけでもなさそうです。実際に、文化や食、農業などが世界に通じるとわかれば自信にもなるはずです。
中道:投資先も海外に目を向けて事業を行っている企業が多いかと思います。今後もそういった投資先を増やしたり、より深ぼったりすることも考えていますか。