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ゴールドマン・サックス企業投資部門アジア・パシフィック共同統括責任者のアンクル・サフ / 写真=平岩亨

「世界最強の投資銀行」という呼び名の高いゴールドマン・サックスは一般的な投資銀行業務に留まらず、企業投資部門でも圧倒的な実績を持つ。その最前線でどのようなビジネスが展開されているのか。ゴールドマン・サックス企業投資部門アジア・パシフィック共同統括責任者のアンクル・サフが語る。

ゴールドマン・サックスの企業投資部門は、M&A(合併・買収)などのアドバイスを行う投資銀行部門の一部として、資本を必要とする顧客にリスクマネーを提供する役割を担って誕生した。アメリカを代表するファッションブランドのラルフ・ローレン(ポロ)も、ゴールドマン・サックスの支援を受けた企業であることを知る者は少ない。以来、グローバルで750社以上、550億ドル以上を投資。

日本においては、アンクル・サフの来日によって本格的に活動を始めた2003年以来、USJ、イー・モバイルなど10社以上の企業に対し、総額4,000億円を超す資金を投じ、日本企業の発展に寄与してきた。

「投資先の事業育成をハンズ・オンで支援し、様々な観点からアドバイスを提供。投資先のグローバル化・成長戦略を長期的にサポートするのが我々の役割であり、他のプライベート・エクイティ・ファンドと大きく異なる点だ」(アンクル・サフ)

USJ、イー・アクセス、JREという成功事例

16年3月期に入場者が過去最高記録を更新した大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」。一時は集客難で業績不振に陥ったこのテーマパークを再生に導いた立役者がゴールドマン・サックスだ。

05年に同社が出資するまでのUSJの運営は、アトラクションへの投資採算の管理、人件費や減価等のコスト管理など、管理体制の抜本的な見直しが必要とされる状況であった。さらにハリウッドのアトラクション映画を題材にした男性向けのコンテンツが中心で、大胆なマーケティング戦略の変換が投資時のテーマであった。

ゴールドマン・サックスはテーマパーク運営の圧倒的な実績を持つグレン・ガンペルら経営陣を自分たちのパートナーとして全面的に信頼し、女性やファミリー向けをターゲットとする方向に戦略を大転換、これが大成功を収めた。一度は株式公開したものの、その後のマクロ環境の悪化から非公開化を決断。その後も鳥インフルエンザの流行や東日本大震災の発生など、様々な難局がUSJに襲いかかる。

それでも、ゴールドマン・サックスはUSJの成長ポテンシャルを信じ続けた。11年、当時すでに本や映画が大ヒットしていたハリー・ポッターのアトラクションをUSJに導入する案が検討された。当時の年間売上高の半分に達する規模の巨額投資はゴールドマン・サックスにとっては大きなリスクではあったが、会社の長期的な成長の可能性に賭ける形で投資のゴーサインを出した。

「アベノミクスやインバウンド需要の増大などの追い風も吹いたが、リスクキャピタルを提供するとともに、様々な経営面のバックアップを進めたことが成功の要因だ」
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USJを運営するユー・エス・ジェイの米コムキャストとの資本・業務提携記者会見でのアンクル・サフ(左)

文=鈴木雅光

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