ビジネス

2023.01.31

危機感を原動力に。日本の国力を高める文化と投資のカタチ

Urbanscape / Shutterstock.com

日本の企業が世界に出るときに足りないものは何か。そのひとつが“クリエイティビティ”だとしたら、どうしたら乗り越えていけるのか。

Kitchen & Companyの中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレート。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信していく。

第23回配信は、前回に引き続き、鎌倉投信の代表取締役社長である鎌田恭幸がゲスト。人口減少に直面する日本が再び成長するために、文化はどんな役割を持ち、投資はそれをどのように支えうるかを聞いた。


中道:今回も引き続き、鎌倉投信の代表取締役社長である鎌田恭幸さんをお招きしています。前回は鎌倉投信がどのように生まれたか、特にコンセプトについてお話いただきました。売却を前提としない投資、東日本大震災のときの対応など、心を揺さぶられるエピソードでした。

ここからは、激動の時代において日本が今後、どのように価値を再定義できるかについておうかがいしたいです。日本は、このままでは没落が待っているのではないかという危機的状況です。次世代にバトンをつなぐ意味でも、鎌田さんが描く日本の将来について聞かせてください。

鎌田:視点によって考えは変わりますが、このままでは日本は没落していってしまうという危機感は、まさにそのとおりだと思います。国力の低下は続いていて、昨今の円安はその象徴ともいえます。

それだけに、政治家だけでなく私たちのような企業家も含め、今後の日本をどうしていくかという、真剣な議論は必要なはずです。実際、鎌倉投信のお客様からも、「鎌倉投信の日本のいい会社に投資をする姿勢は共感するものの、日本経済は今後伸びしろがなく、日本株に投資しても資産形成はできないのではないか」という質問をいただくことが増えています。

確かに日本は人口減少が避けられず、経済規模が急拡大することは考えられません。当然、株価も全体的には上がりにくい状況が想定されます。

一方、個別で見た場合、世界を舞台に活躍する企業は多くあります。加えて、中道さんの考えられるとおり、文化や観光を含め、日本にはまだまだ海外に届けられていない価値がたくさん眠っています。

今はそういった様々な価値は届けやすい時代で、海外に目を向けている企業もあり、今後生まれるスタートアップも当然のように世界展開を視野に入れるはずです。

世界とのつながりが当然の時代だからこそ、やはり日本の持っている価値を再定義する必要があり、その価値を世界に届けることで国力ももう一度高めることができるのではないかと思います。
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文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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