キッチンから、仲間と。日本を世界で輝かせるブランドづくり

中道大輔(写真右)とForbes Japan編集長 藤吉雅春(同左)

日本の企業が世界に出るとき足りないものは何か? そのひとつがコミュニケーション、つまり伝える内容や伝え方だとしたら、どうすれば乗り越えていけるのか?


未開拓の日本の可能性を世界と繋ぐことをミッションとするKitchen & Companyの代表・中道大輔がナビゲートするPodcast「VISION TO THE FUTURE」とForbes JAPANがコラボレートして約1年半。国内外で活躍する“視点”のあるゲストとともに、考え、発信してきた番組は、今回(Vol.65)が最終回。

ラストは、ゲストのForbes JAPAN編集長の藤吉雅春が、ナビゲーターの中道大輔にインタビュー。中道大輔が番組を通して伝えたかったことを深堀りする。

中道:今回は、Forbes JAPAN編集長の藤吉雅春さんをお迎えしています。実は「VISION to THE FUTURE with Forbes JAPAN」は一旦終了ということになりました。今回は総括も含めて、最後に僕やKitchen & Companyについて藤吉さんに聞いていただき、みなさんにシェアしたいと思い、お忙しいなか来ていただきました。よろしくお願いします。

藤吉:よろしくお願いします。中道さんの仕事が、この世の中、未来に対してどういう役割を果たしているのか、じっくり聞いてみたいと思います。まず、Kitchen & Companyというのは、一言で言うとどういう会社ですか。

中道:日本企業をどう世界に出すか、もしくは外資系企業の日本チームをどう世界で輝かせるかということを考えている会社で、メインの仕事は、ブランドやカルチャーをより良くして価値を作るための戦略を立てることです。

藤吉:中道さんがブランディングをしなければいけないと思ったのは、何かきっかけがあったのですか。
Shutterstock.com

Shutterstock.com

中道:それは僕の生い立ちに関係します。僕は12歳から25歳(1988年〜2001年)までイギリスで育ちました。大学在学中にBritish Airways(BA)で飛行機のデザインやブランディングの仕事をするようになったんですが、当時、BAはブランディングをグローバルに大きくシフトした時期でした。

いろんな国のアーティストを採用して全ての飛行機のアートワークを違うデザインにしたのですが、それが大失敗。それで今度は真逆に方向転換して、全てのブランドワークを「Being British」で統一しました。

もともとコミュニケーションの仕事をしたいとは思っていたのですが、BAのブランドチェンジを目の当たりにして、やっぱりすごく面白い、やってみたいと思ったんです。

その後、ロンドンで何社か面接を受けたのですが、最終面接までいってもなかなか採用までいかなくて。自分がイギリス人相手に勝つための強みは何だろうと考えた時に、「日本人であること」だと思ったんです。同時に、「やばい、自分は日本のことを何も知らない」と思って帰国しました。

帰国して広告代理店のTBWAに入り、ダイソンやナイキなどのコミュニケーションをサポートする仕事をしていました。そのうち、ブランド事業部というものをきちんと学ぶ必要があると思うようになりリーバイスに入り、日本のマーケティングの代表をやり、最終的にはサンフランシスコのデザインとマーチャンダイジング商品のディレクターをやりました。
次ページ > 「不易流行」という考え

文=久野照美 編集=鈴木奈央

タグ:

連載

VISION TO THE FUTURE

ForbesBrandVoice

人気記事