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2023.01.31 09:00

危機感を原動力に。日本の国力を高める文化と投資のカタチ

Urbanscape / Shutterstock.com

鎌田:その一環として、去年から所謂ベンチャーキャピタルファンドでのスタートアップ支援もはじめました。個人向けではなく、金融機関などプロの投資家向けの運用商品ではあるものの、まさにゼロイチを生み出す企業のサポートをスタートさせています。
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「結い2101」という投資信託も基本的に株式公開している上場企業へ投資していますが、鎌倉投信は社会的インパクトをもたらすような成長を投資先企業にいかに遂げさせるかを挑戦として設定しています。

中道:スタートアップ投資は、やはり上場企業への投資とは全く異なるプロセスを経ていくものでしょうか。

鎌田:そのとおりです。社員がまだ数人という企業に投資をしたりもします。
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過去1年半ほどで12社に投資したなかには、ヘラルボニーという岩手県盛岡市に本社を置き、知的障碍のある作家が描くアートでライフスタイルブランドを創っている企業があります。

アートをライセンス提供することで、ブラウスやスカーフ、ネクタイといったアパレル商品につながったり、ホテルの一室をデザインしたりもしています。純粋で非常に力があるアート作品が多く、おそらく世界でも展開できるのではないかと考え、私たちとしても上場に向かって伴走しているところです。

ほかにも、フリースクールの教育系企業にも投資を行っています。中道さんのお話にあった海外とのつながり、あるいはコミュニケーションの壁をなくすためには教育は非常に重要で、国力を左右するポイントでもあると考えています。その投資先は、メタバース空間で子供たちの好奇心を喚起するような教育コンテンツを多く抱え、学びたいものを学べ、国内外問わない教育空間を作っている企業です。


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こうした従来の概念をガラッと覆すような企業は、今後さらに生まれると予想されています。私たちとしても、新しい視点を持った企業を増やし、スタートアップと大企業、都市と地方、日本と海外でシナジーを生んでいければ、想像を超えるような化学反応が起きるのではないかと考えています。

中道:鎌田さんたちは、スタートアップと大企業など、その間をつなぐ役目も果たされているわけですね。

鎌田:私たちは、社員数人のゼロイチのスタートアップから、100年を超える歴史を持つ上場企業までカバーしています。この2つの領域をカバーしている運用会社は日本では数少なく、投資を通じた価値共創のプラットフォームをいかに創っていけるかも今後の挑戦になってくると考えています。
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文=小谷紘友 編集=鈴木奈央

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