ライブストリーミングEコマース
ライブストリーミングEコマースは、中国でここ数年人気のある販売形態ですが、その成長と軌道に影響を与えそうな新しい動きが注目されています。中国における2大ライブストリーミング・インフルエンサーのAustin LiとViyaは、口コミ広告スキャンダルの後、今年姿を消しました。そのため、AI企業によりデジタルで作られたバーチャルインフルエンサーが、何のPRリスクもないことから、昨年から中国のライブストリームに登場するようになったことは自然な流れといえるでしょう。
米国ではライブストリーミングの台頭はかなり遅れていますが、大手Eコマースやソーシャルコマースプラットフォームが徐々にこのツールを採用し始めています。2022年5月、Pinterestはオンデマンドライブラリを含むライブショッピング機能の「Pinterest TV」を発表しました。また、同時に、クリエイターがプラットフォーム上でライブ配信を行うことができるアプリ「Pinterest TV Studio」もリリースしました。
同様に、2022年6月には、eBayがライブショッピングプラットフォーム「eBay Live」を発表しています。
![](https://images.forbesjapan.com/media/article/52188/images/editor/0a53df21ecda832a5b5a0747ed147ffa.png?h=669)
Pinterest TVでメイクアップを実演するクリエイター
出典:Pinterest
大手ソーシャルメディアやEコマースプラットフォームが独自のライブショッピングプラットフォームに投資し、開発していることから、このインタラクティブで没入感のある機能がこれからのEコマースの成長を後押すると考えています。
バーチャルな没入型サービス
メタバースやWeb 3.0が日常生活の一部となるにつれ、ブランドとEコマースプラットフォームは、こうしたテクノロジーやその他の新しいテクノロジーを通じて消費者と関わり、滞在時間を延ばしたり、売上増加につながる方法を模索しています。
消費者がオンラインショッピングでより深く商品を知る事ができるようにするため、各プラットフォームはARやVR技術の統合を始めています。例えば、Tmall Luxury Pavilionでは、多くの最新製品の3DショッピングとAR/VR試着機能を備えており、Amazonの「Room Decorator」では、購入前に実物大の製品を自宅に置いた様子を仮想的に見ることができます。
中国では、Eコマースプラットフォームが、デジタルコレクションのショッピング、共有、保管をサポートする機能の展開に注力しています。例えば、Tmallは6月、アプリ上にデジタルコレクター向けのページを開設しています。
中国の金融サービス会社である国セン証券によると、2021年の中国におけるデジタルコレクタブル商品の売上高は1億3300万元(1910万ドル)に達しており、メタバースやWeb 3.0の発展とともに、同国のEコマース市場においてより大きな存在感を示すことになることが予想されています。