Web3のまちづくりで、過疎からの心の解放へ。全国で2番目に小さい三宅町の挑戦

奈良県磯城郡三宅町はグローブの生産で有名だ。森田浩司町長(左)、齋藤潤一

DAO(分散型自立組織)やNFT(非代替性トークン)など、Web3を活用する動きが時代の潮流になっているいま、人々の価値観に寄り添い、新しい考えでチャレンジをする行政のリーダーが増えている。

どこで暮らしどのように働くのか、選択肢が多様となった時代にあって、行政のリーダーたちにも、いかに地域に住民を誘導するのか、自治体としての戦略も問われている。Web3を活用して、新しい街づくりにチャレンジしようと考えている首長がいる。

奈良盆地の中央にあり、グローブの生産が盛んな「全国で2番目に小さい町」(4.06平方km)奈良県磯城郡三宅町で、Web3を活用して新しい街づくりを実現しようと考えている森田浩司町長だ。

住民との協働や官民連携で課題に取り組んでいる森田町長は、Web3での街づくりは「過疎の心から脱却する機会」だという。なぜ三宅町は「電子国家三宅町」をめざし、Web3での街づくりを通じたWell-beingな街づくりに挑戦するのか、森田町長に話を聞いた。

──SNSでも「全国で2番目に小さい町!! 三宅町」を発信し、いろいろな人たちとの連携をしていますね。そんなSNSを使いこなす森田町長は、Web3やDAO、NFTの可能性はどう考えていらっしゃいますか?

ひと言で言うと、ますます世界はボーダレスになってくると思っています。自分らしさを表現できる世界観がさらに広がるのはすごく魅力的ですよね。

三宅町は「自分らしくハッピーにスモールタウン」をビジョンに掲げているなかで、職員にいつも言っているのは「選択できずに苦しんでいる人たちがいる」ということです。ジェンダーや夫婦別姓に関して、自分らしさを選べる世の中をつくっていくことが行政の仕事だと考えています。

自分らしく選択できる喜びや幸せは、Well-beingに繋がると思います。しかしWell-beingの高い街をつくっていく過程では、やはり厳しい困難があるのも事実です。そこでWeb3やDAO、NFTなどの新たな技術を導入することによって、ビジョンを現実化できる可能性を広げていけるのではないかなと思っています。
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文=齋藤潤一

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