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2022.07.02 12:30

ドイツのレストランなど 「リユース容器」の選択肢提示が義務に


リユースに関連して、デポジットシステムはドイツで浸透している。

飲料容器を回収してリサイクルし、持続可能性を高めるデポジットシステムは2003年に導入され、現在ドイツ全土の多くのスーパーに飲料容器の自動回収機が設置されている。

2020年にオーストリアの環境保護組織Global 2000が発表したレポートによると、ドイツの使い捨てプラスチックボトルの回収率は98%となり、EUで最も高い回収率を達成した。2022年1月からは、すべての使い捨てプラスチック製飲料ボトルがデポジットの対象となっている。

外食産業が提供する食品容器に関しては、EUの使い捨てプラスチック製品禁止指令により、2021年7月から発泡ポリスチレン製の食料および飲料用容器を含む特定使い捨てプラスチック製品のEU市場流入禁止が定められた。カトラリー・皿・ストローなども、特定使い捨てプラスチック製品に含まれる。

これにより、スーパーでもプラスチック製のカトラリー・皿・ストローを見かけることはなくなり、レストランなどは持ち帰り容器として多く使用していた発泡ポリスチレン製容器の使用をやめた。

しかしながら、現在も食品の持ち帰りには使い捨てのプラスチック・紙製容器の使用が一般的で、リユース容器を提供しているレストランは稀である。ドイツ政府によると、ドイツでは毎日770トンの使い捨て持ち帰り容器包装ごみが発生している。

こうしたことから、ドイツ政府は容器包装廃棄物法の改正・施行を発表した。

ドイツ、2023年1月から一定規模以上のレストラン・カフェなどにリユース容器を顧客に提供する選択肢を設けることを義務付け


2023年1月、ドイツは容器包装廃棄物法を改正・施行し、持ち帰り用の食料・飲料品を販売する一定規模以上のレストラン・カフェ・ケータリングなどに対し、リユースカップ・容器を顧客に提供する選択肢を設けることを義務付ける。

使い捨て容器も引き続き提供でき、顧客がリユースカップ・容器もしくは使い捨て容器を選択できるようにする。

ただし、リユース容器での提供価格は、使い捨て容器のそれより低くなければならない。店舗面積が80平方メートル以下・従業員5人以下の小規模店舗は同改正の対象外となるが、顧客が持参した容器で食料・飲料品を提供することを推奨しており、その可能性を顧客に明示しなくてはならない。

同法改正の目的は、廃棄物と原材料使用を削減して環境を保護することだ。現在、ドイツ連邦環境省は64の小規模外食施設に対して、リユース容器を使用した持ち帰りへの切り替えプロジェクトを支援している。
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文=クリューガー量子

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