ビジネス

2022.07.02

ドイツのレストランなど 「リユース容器」の選択肢提示が義務に

出典:RECUP


RECUP:リユース容器提供を大規模展開


RECUPは、2人の創設者Florian Pachaly 氏とFabian Eckert 氏が、使い捨て容器包装ごみについて行動を起こしたいと考え、2017年に設立したリユース容器を提供するスタートアップだ。

ミュンヘンに本拠を置き、ドイツをはじめ近隣の国々で多くのパートナー(ドイツ全土で1万1800以上)とサービス展開している。

デポジット代はカップ(RECUP)が1ユーロで、ボウル(REBOWL)は5ユーロ。カップは1000回、ボウルは200~500回使えるとしている。


創設者のFlorian Pachaly 氏(左)とFabian Eckert 氏(右)(出典:RECUP)

容器の利用方法は簡単で、デポジット代を支払って容器を購入し、使用後にパートナー店に容器を持っていくと、デポジット代が返却される。アプリのダウンロードやデータ入力も不要だ。

今回、RECUPにリユース容器提供におけるライフサイクルアセスメント・プラスチック容器の選定理由・パートナー店の利点・今後の展望などについてお話をうかがった。

ライフサイクルアセスメントの観点からみて、リユース容器は使い捨て容器より持続可能ですか?


リユース容器は製造時に多くのエネルギーを消費しますが、頻繁に使用できるため、ライフサイクル全体の持続可能性は大幅に向上します。

RECUPは17回、REBOWLは11回使用すると、製造および洗浄で消費される資源は使い捨て容器製造で消費される資源よりも少なくなり、使い捨て容器包装より持続可能になります。

使い捨てカップの代わりにリユースカップ1個を利用することで、CO2は21g、0.1kWhのエネルギー、430mlの水を節約できます。

プラスチック素材を選んだ理由を教えてください。


RECUPとREBOWLは単一材料のポリプロピレン(PP)製です。現在、PPはリユース容器システムにおいて最も持続可能な代替品です。

PPは熱可塑性樹脂で柔軟性と耐久性に優れていますが、食品の安全性を確保し無味無臭で単一材料のため、容器としての寿命を迎えると100%リサイクルできます。

製造およびリサイクルの条件を代替材料(セラミックやステンレス鋼など)の条件と比較すると、ポリプロピレン製容器は比較的低いエネルギーを消費し、優れたリサイクル性を有しています。

貴社・ユーザー・パートナーの手間(洗浄など)と、その削減方法があれば教えてください。


洗浄に関しては、問題はないと認識しています。RECUPとREBOWLは、通常のセラミック食器と同じように食洗機で洗浄できるため、衛生的で便利です。

残念ながら、ユーザーはRECUPとREBOWLを自宅に保管したまま返却しないことがあるため、デポジットシステムが機能しにくくなることがあります。この問題に関しては、定期的にSNSなどでユーザーに容器をパートナー店に返却するよう呼びかけています。
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文=クリューガー量子

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